闘神の章〜幽助×蔵馬〜
□【Studying of LOVE】
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「じゃあ、問題出すからね」
「何でもこいって!!!!!」
真っ白なノートを前にして、異様な気合の入った幽助に思わず吹き出してしまう。
大口たたいた割には、"とりあえず30分時間をくれ"が"あと15分.....あと10分..."となり、あれから1時間がたっていた。
幽助にとっては蔵馬とのキスをかけた一大事だから仕方のない事だけど。
そして、気合い十分の幽助の真剣勝負が幕を開けた......
開けたのだけど...
「......不正解。幽助ぇ、これで8問全滅だよ......」
呆れたような溜め息と共に、むくれた翡翠が幽助を恨めしそうに睨む。
「だってよ〜.....分かんね〜もん」
ムスっとしながら投げやりに答える。
頑張って考えてはいるのに、悪すぎる頭が正しい答えを導き出してくれない。
残るはあと2問----------
だけどやっぱり9問目も........
「幽助......真面目に考えてる?」
「だ〜っっ!!!!考えてるって!!!!!!」
頭をワシャワシャ掻いてみても、頭はすっきりしなくて。
あ〜あ、と大きな溜息をつき顔を上げたら、目の前で大きな翡翠がじ〜っと食い入るように見つめてた。
「ねぇ、幽助?キス.......したくないの?」
何だか少し哀しげに揺れる瞳に、艶やかに色づく桜色の唇。
無防備にド〜ンっとアップで迫ってきたら、もはや襲って下さいと言ってる様なもの。
天然なのか、したたかな計算なのか.........
------マジで、このまま押し倒すぞ-------
伸ばしかけた腕を何とかギリギリの理性で抑えた。
「そりゃあ、今すぐにでもしてぇよ。だけどさ、俺は“目先の快楽だけを求めてる”わけじゃねぇ〜し?受けた勝負は正々堂々と勝たねぇとな」
たかだか問題に答えるだけなのに勝負って.......
何だか可笑しくなってフッと頬が自然と緩み始める。
-----勝負なんて本当は初めから.......-----------
「分かった。じゃあ最後の問題。ちゃんと答えてよ?正解しなかったら一生キスさせてやんないから」
「あ〜、ひでぇ。何だよ、それ。俺が分かる問題にしてくれよ」
「さあ?どうでしょう?」
クスクス笑いが止まらない唇が幽助の耳元で最後の問題を音にする。
それは今まで一番分かりやすい単純明快な問題...........
「ねぇ?幽助が......今、一番好きなモノは.....何?」
突然趣向が変わった問題に一瞬目をパチクリしていた幽助だったが、蔵馬の意図を理解したのか、ほんのり桃色に染まる頬をなぞるように撫でた。
今度は素直に擽ったさに首を竦める。
-----マジでやってくれるよ、全く------
蔵馬の腕をとり、己の首に絡ませ華奢な腰を引き寄せた。
「答えはな.......今俺の目の前にいる蔵馬ちゃん♪」
お互いの唇が触れるギリギリで寸止めされてる距離で笑顔が弾ける。
「........大正解」
寸前で止まっていた唇は迷う事無く重なり、今度こそ大人しく身を委ねてくる。
ゆっくりと絡み合う舌が甘い吐息を誘い出す。
勝負なんて本当は初めから決まってた。
そう、最初に甘いkissをした時から...........
問題なんてただの理由付け。
散々あなたをたしなめておいて、kissの先までなんて言えないから。
だから尤もらしい理由を並べて........
長く深い口付けを交わす二つのシルエットはもつれあうように床に倒れこみ、重なり合った。
-------幽助の好きな場所にキスしていいよ-------
約束通りに、身体中に沢山のkissが落ちてくる。触れた肌が心地よい熱を持ち始めた。
零れだすのはkissよりも甘い桃色の吐息。
止む事のない吐息が恋人達の時間を包み込み始めていた.......
夏休みの補講がどうなるか?
それは神のみぞ知る事.........
fin.
あははは、もう笑うしかない、腐ったバカップル(笑)
今回ちょっと誘い受けっポイ蔵馬さん書いてみました。
ん〜、でもいつもと変わらないかな。
2012.7.20 咲坂 翠