薔薇の道

□おれと、兄ちゃんと、あいつ。
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家に帰って、1〜2時間後・・・。

「ただいま。」

兄ちゃんが帰ってきた。
俺は居間でゴロゴロしながらテレビを見ていた。

「あ!おかえり。」

俺の態度は、学校とは180度回転。
まるで主人の帰りを待つ犬のようだ。

「あ、夕飯作ってくれたんだ!ありがと。秋。」

そう言って頭を撫でて来る兄ちゃん。

「おれもう、子供じゃないよ?春(ハル)兄ちゃん」

悪い悪いと言いつつ、撫でる兄ちゃん。
春兄ちゃんと、おれは4歳違いの兄弟。
すっげー優しい兄ちゃん。

「今日の学校は、どうだった?」

二人で、手を合わせ合掌をし食べはじめる。

「あ、うん。今日ねおれのクラスに転校生が来たんだ」

「ふーん。転校生ねぇ。こんな時期に」

「そうそう。珍しいでしょ?しかも席が隣同士で、やけにべたべたしてくるんだ」

「・・・ん?なぁ、秋」

「ん?」

「そいつ、女?」

「ううん。男」

「・・・秋、あんまりそいつに近ずかない方がいいよ」

「うん?わかった」


そういって、その日は他愛のない話しをして終わった。


その一週間後。

「秋ぃ〜」

「なに?」

冷たく返事する。

「最近冷たくない〜?」

「別に。」

兄ちゃんに言われた通りに冷たくあしらう。

「ねぇ、今日うちに来ない?」

「・・・」

しょーじき行きたくない。けど、行かないと、

「なぁなぁ、秋〜」

・・・あぁウザイ。

「分かった。行くよ」

やったぁーなんて言ってはしゃいでる夜空。


この時は知らなかったんだ。コイツがなにをしようとしているのか・・・。

これから恐ろしいことが起きる。


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