消失少年
□ガーベラ
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「こんばんはー」
「あ!ななしさん!」
久しぶりーリコちゃん
と、微笑んで頭を撫で、リコパパに見つかる前に頭から手を離した
「そーいや、誠凛高校に、入学おめでとうー」
「ありがとう、あ、今日は軽く流していくの?」
そのつもりーと言うと、マシン達の前で準備運動を始めた俺に、申し訳なさそうに話しかけてきた
「ななしさん、ちょっと相談にのって欲しいんだけど」
その相談とは、高校の事だった
誠凛高校にはバスケ部がないらしい
それを入学してから知った"無冠の五将"の"鉄心"こと木吉鉄平は、バスケ部に入ってくれる人を探しているらしく、リコちゃんを始め俊や順平も声をかけられたらしい…
「そうか……でも今の順平はかなりヤバイって俊に聞いたぞ?」
「そう!そうなのよ…だから本音をなかなか聞き出せないらしいの」
はぁ…と呆れから来る溜息を一つついて、両方の行動をさぐってほしいと頼まれた
「まぁ、ある意味俺にも原因は少なからずあるって聞いたからなぁ…分かったよ探りをいれてみる」
「流石ななしさん!ありがとう」
嬉しそうに笑うリコちゃんを見て、昔からこの顔に勝てないんだよなーと苦笑いで頭をかきながらトレーニングのメニューが終わってしまった
「じゃあ、俺帰るわ。明日にでも俊達に会ってみようと思う」
「ありがとう、でも、伊月くんのメアドとか知ってるの?」
あぁと答え、苦笑いで実はな、と続けた
「この前俊から似たような内容で、メールが来たんだよ…俊達は"取り敢えず、自分達でやってみる"らしいけどさ…流石にリコの話を聞いたら心配になってきたからさ」
「そう…じゃあ、はななしさんにお願いしてもいいのよね?」
「あぁ…まぁ、な」
話をしていると一つの足音が近づいてきたので、来たなと内心思った
「おー来てたのか」
「うんーこんばんは。リコパパ」
「パパと言うなっ」
「じゃあ、叔父さん?」
そんなに老けてないっと言ってくるので、俺に何て呼ばせたいんだよ、この人は…仮にも親戚なのに
「仕方ないな」
「パパ!もうっ!なにが"仕方ないな"よっ」
まったく、この人は…と若干呆れたが、これがこの人だ
「今日の調子はどうだ??」
「いつも通り。今日は軽くランニングをしてみたけど、それなりにいいかなって思ったよ」
そうしてメンテナンスをしてもらい相田家を後にした
明日は取り敢えず、俊達にコンタクトを取るか…と考えながら、ゆっくり帰った
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