レンカイbook

□不良品だから【短編】
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僕は他のKAITOより機能が沢山足りないみたいで、言わば"不良品"。
僕に足りない物は
声と感情。
色んなマスターのたらい回しにされて、辿り着いたこの家。
この家には鏡音リンと鏡音レンがいる。
2人とも僕と仲良くしてくれて「大好き」と言う。

「KAITO〜」

僕に抱き付くレン。
こういう場合は嬉しいのかな。
レンは僕に"好き"という感情を抱いているらしい。
最近告白…をされて僕は黙って頷いた。
レンは僕を見つめてたけど、その瞳は儚かった。
愛というのはそういう物なのだろうか…。

「KAITO、大好き」
「……」
「…嫌い」
「……」
「頷いてるだけじゃ、分かんないよ。」
「……」
「…ごめん」

俯くレン。
するとリンが走ってきた。
「私お邪魔?」と言う。
レンは首を横に振る。

「リン、」
「何?レン」
「…何でもない」
「何でもなくないわよ。考えてることくらい分かるわよ。」
「そう…だね」

僕はソファに座ってただ2人を眺めていた。
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