企画

□胎内星団
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『…n?』

「ふっざけんなあ!そんなにチョーク当てられてぇか!」

『まさか!』


マジで黒板の前でチョークを構える先生に戦慄を覚える。体罰だー!
テスト週間でせっかく早く帰ってきたのに、昼間っから塾である。信じられん!あたしのテスト週間スタイルは、昼帰る→とりあえず昼ドラ→おやつ食べつつドラマ再放送→ご飯食べつつバラエティー→夜食食べつつドラマ→お風呂→なんとなく勉強、である。


「である、じゃねぇ馬鹿か!食うかテレビ観るかしかしてねぇじゃねえかぁ!」

『いやいやしてるじゃん勉強!』

「これをしてるとは言わねえ!」

『痛だ!』


出席簿の角で殴られたー!あれ地味に物凄く痛い。今ので馬鹿になったら先生のせいだからね!


「安心しろぉ。それ以上馬鹿になりようがねえ。」

『失礼な!っていうか先生さっきから人の頭の中覗かないでください!』

「全部口に出てんだよ。」


あぁ!そう言いながらあたしのノートが真っ赤に染まっていく…!もちろん悪い意味で、ですよ…

確かに勉強は嫌いだ。でも自分ではそんなに悪い点だとは思わない。全部平均+10くらいはあるし、数学は80点くらい取れるし。


「英語は30点満点か。」

『ねー。』

「ふざけんなぁ!」

『ぅおっ…!』


し、至近距離デコピン…!ダメだってこれちょ、…ダメだろぉ…


「12点て。12点て…!」

『二度も言わないで!』


Hello と Yes,I can.は書けたんだよ!If?Becouse?何それ食べれる?


「いいか、とりあえず中学レベルは解けるようにしろぉ。」

『……えへ。』


そう、あたしは高校生!友達にはよく受験受かったねってよく言われます。

あたしの前にこっち向きで座る先生が怖いので、真面目にワークと向き直る。今気づいたけど、これ中二って書いてある!全くサッパリわかんないけど!


電話が鳴って、廊下で話しおわった先生がまたあたしの前に座る。ちょっと緊張。&飽きてきたりしちゃったり。あたしの手元を見る為に俯いてる先生を盗み見。……かあっこいいなあ…


「よそ見すんじゃねえ。」

『はーい。』


バレちゃった。
それからはひたすら問題を解いてく。高校生なのに中二の問題集を渡されたのは屈辱的だけど、理解してないあたしが悪いよね、どう考えても。アルファベットが頭の中をぐるぐるぐるぐる。漢字や平仮名を忘れそうだ。あー疲れた。


『ねー先生。』

「あ?」

『何点取ったら合格ー?』


あたしの問いに頭を上げて、またノートに目を落として赤で丸つけ。あ、ちょっと丸増えてる。


「妥協して70。」

『無理!』

「うお゙ぉ゙い!」

『いはい!』

「はッ、"位牌"?」

『わあっへゆくへひー!』

「わかんねぇなあ。」


ムカつく…!そして痛い!むぎゅーっとあたしの頬っぺたを抓って引っ張って、よく伸びるとニヤニヤする先生はいじわるだ!あと70点なんて絶対無理!
半ば涙目で先生を恨みがましく睨んでやる。そうしたら、ふっと真面目な顔になる先生。


「オレが教えてんだぁ、嫌でも上げてやる。」

『……。』


やだ、べつにかっこいいとか思ってないよ。
ぺちんと引っ張られて離された頬っぺた、先生のせいで赤くなったじゃん!






胎 内 星 団






11/03/10/Thu

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