テニプリSS

□放課後の一時。(跡宍)
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「お、」





「げ……」




期末試験が近づいてきたから
勉強嫌いの俺が…

わざわざ放課後…、

赤点取らねーように勉強するため!図書室に行ったら…
俺の大嫌いな大嫌いな大嫌いな大嫌いな嫌いなアイツがいた



「………」

宍戸はわざとらしく大きな溜め息をつくと窓際の席に腰かけた
「げ、とはヒデーぇな」
跡部も宍戸の隣の席に腰かける
「仕方ねーじゃん、げっ、って思ったら口から出ちまったんだからよー」
「さすがの俺様でも傷つくだろ」
「勝手に傷ついてろよ」

「つうか、お前が図書室に来るとか珍しいじゃねーか?明日雪でもふるんじゃねーの」


「俺だって、来たくて来てるわけじゃねーよ…赤点対策だ!」

「…普通に授業受けてたら赤点なんか取らねーだろ」


「う、うるせーなー、勉強すんだから妨害してくんじゃねーよ!!赤点とっちまったら跡部のせいにするからな」

「俺のせいとか関係ねーだろ」





「…………」



「…………」


やっと2人の間に沈黙が生まれ
宍戸は教科書とノートを広げ勉強にかかった…
だが、お互い隣を気にしないように自分の事をしようとするが…
隣の野郎の事が気になりすぎて、何も手につかないでいた。


その時、

たまたま外を眺めていたらテニスコートと練習する後輩の姿が宍戸の目に入った…







「部活引退しちまったらよ…」


そう先に言い出したのは
宍戸だった



「何もやることなくて暇だよな」

宍戸のその一言に跡部はウッすらと笑みを浮かべる
「お前は暇人だからな、俺様は毎日毎日いろいろあるから忙しすぎるぜ」
「相変わらずムカつく野郎だな」
「本当の事を言ったまでだ」

「…ぁあ…、テニスしてー…」





「… それにしてもよ」

跡部は話題を変えるかのように、宍戸をみつめてきた
宍戸は意味もわからず、ただ首傾げてみせる





「… 髪」



「髪?」


「… 髪…」

少し長くなってきた宍戸の髪を触りながら、跡部は呟いた


「…のびてきたな」

懐かしそうに自分の髪をみつめながら呟く跡部を見て、宍戸も自分の髪を触りながら…

あの日を思い出す


テニスをするために
自慢の髪を自ら捨てた

あの日…







「もうのばさねーの?」


跡部のいきなりの言葉に
宍戸は目を丸くした

「… は?」


「え、ぁ…いや…」

「ん?なんだよ」


「もう、のばさねーの…かな?って思ってよ」

跡部の思いもしなかった言葉に宍戸は笑いながら問う



「のばしてほしーのかよ?」


何だろう?

何でかわからないけど
顔がニタニタしちまう…




「いや…どっちでもいーけど」



本当にさ、

コイツと話してっと
いつも思うんだ。







「お前って、俺の事 けっこー好きだよな?」



んで、俺がそう言うと

お前は極って
いつも俺にこう言う。







「当たり前だろ」




ってな…、

コイツが「髪伸ばせ」って
言うんだったら…
俺はすぐに伸ばしてやんぜ


あんときくれーに、な





おわり。


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