テニプリSS

□ヘタレなんです。(ジャブン)前編
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「はあ!!?女装喫茶?」

休み時間。
廊下で丸井と話していた時。
ジャッカルは丸井の言葉を聞いて、飲みかけていたジュースを少し吹きかけた
「そう〜、文化祭で俺のクラスがやることになっちまったんだよ」
「へ…、へーぇ…」
「男の女装なんか見て喜ぶ奴がいんのかよな?」
と口を尖らせながら丸井が呟く横で、一人妄想に走る。

純情少年ジャッカルがいた





「ブン太の…女装かぁ…」


「おい…俺で変な妄想すんじゃねーよぃ?」

「し、してねーよ////」
「…まぁ…」

「ん?」



「やるからには、俺の天才的な変装みせてやるからなッ!覚悟しとけよ♪」

丸井はそうジャッカルに向かって叫ぶと、まるで風のように自分のクラスへと戻っていった








「ブン太の女装かぁ…」


丸井は…、

男の癖に可愛い顔をしてるから想像してみても、きっと女装は似合うんだろうな〜と想像つく




「楽しみだなー…」


「楽しみだね〜」




「そうだな…って、ぇええ!?」

「あ〜驚いてる〜ぅ」
「幸村かよ…」

「驚きすぎだよ」


「いきなり隣に現れんのやめろよ…、まじで心臓止まるから」



「俺の目の前でイチャコラしてんのがイケないんだよ(黒笑」


「…すんませんした」




まあ、魔王幸村はおいといて

早く文化祭にならねーかなー、とジャッカルはテニスに打ち込むのであった。








(文化祭 当日)

とうとう待ちに待っていた
文化祭が来てしまった
ジャッカルは余りもの緊張に
顔を曇らせていた…

それもそのはず。


いつも男前で可愛いくて男前すぎる食いしん坊のブン太が

今日、女装するのだ!!

楽しみすぎて待ち遠しくて
昨日はなかなか眠れなかったが
当日が来てみると、
何だかわからない緊張感が胸を締め付けていた
例に例えるなら…
初めてのデートで彼女を待っている時のような

そんな緊張感だった





「おはようございま〜ぁッス」


「あ、おはよう赤也」

「どうしたんすか?ジャッカル先輩あんま元気ないっすね?」


「ん?そうか?」

「今日は文化祭だってのに」
「緊張している確率97.8%」
と聞き覚えのある声が後ろから聞こえ、少しビックリする純情ボーイジャッカルくん
「あ、柳さぁあ〜ん」
「幸村といい柳といい…まともな現れ方できねーのかよ」
「…とお前は言う」

「ねえ柳さん?何が97.8%なんすか?」
「おはよう赤也、それはだなジャッカルが緊張してる確率だ」
「え?先輩、緊張してんすか!?」
大げさなほど驚く赤也にジャッカルは1つ溜め息をつく
「え!!な、なんで?」
「3年B組が女装喫茶をするらしいからな」

「へ?女装喫茶?」


「そうだ」

「あ、あぁぁぁああ!!!丸井先輩と仁王先輩が女装するらしいんすよね?幸村部長が言ってたっす」
「…それでジャッカルは緊張しているんだよな?」


「柳には何でもお見通しだな…」
「え?何で?そこで緊張なんかするんすか?」
と赤也は1人混乱する
そんな赤也を見て柳は、また面白そうに笑みを浮かべ赤也の頭を撫でる
「赤也にはまだ難しかったようだな?」
「意味がわからないっすよ〜」
そう3人が廊下で話している時だった
2人ほどの足音が3人に近づいてくるのにジャッカルはすぐさま感づいた、
しかもそれが誰なのか?
ジャッカルの中にあるセンサーが反応し、誰よりも先に気づき
「ヤバい、来た!」とジャッカルの心臓はバクバクと暴れ始める

そんな中、2人の足音は構わずジャッカルたちに近づいて来ていた






「お、ここにいたか〜ジャッカル」

不意に肩に手を置かれ、
ジャッカルのときめき度はマックスになる
そんなジャッカルの今の心境を察したのか?柳はクスリと笑みをこぼした



「おい?ジャッカルぅ〜??」

丸井はずっと自分に背中を向けているジャッカルの顔をグイっと覗き込む


「うぉ!!////」

「どーした?顔あけーよ?」
とジャッカルの顔に触れると丸井はニカリと笑う
「どーよ?似合ってんだろぃ」
そう丸井は言い出すと、着ていたスカートをなびかせてみた
「メイド服っすか〜」
「そ♪可愛いだろぃ?」
「仁王は…なんだ?」
柳がそう仁王に聞くと、その言葉を待っていました〜かのように仁王は口を開く
「教師じゃよ♪」
「仁王先輩だと… なんかエロ教師っすよね〜、そのだて眼鏡が特に…」
「手取り足取り教えちゃろうか」
「あ、遠慮するっす」
「つれんことは言いっこナシぜよ〜 あ〜かや♪」
仁王と赤也がジャレ合ってるなか、ジャッカルは今にも爆発しそうな勢いでいた
あの男前丸井がフリフリのメイド服を着て、自分をみつめているんだ!
ヘタレNo.1ジャッカルにとって、ものっすごい心臓に悪い状況だった
だが丸井はそんな状況に陥っているジャッカルにお構い無く、近寄ってくる
「やっぱお前、顔真っ赤だぜぃ?大丈夫かよ?」
「… ちょ… ブン太 ちち、近っ////」
益々、ジャッカルの顔は真っ赤になっていく…とその時だ。



「…… も、ムリ…」


バッタン!!と大きな音を立てて、ジャッカルは廊下に倒れた
余りもの予定外な展開に柳と仁王は呆然としていて…
丸井だけは、すぐさまジャッカルに駆け寄った





この時…。

柳は黙って『柳マル秘ノート』を取りだし、1つデーターを書き込んだ。
「ジャッカルは物凄いほどのヘタレ男」だと…。






つづく


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