駄文置き場
□元気の魔法☆
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「…ぉん…しおん!」
「ぅ…ん、…お姉ちゃん…?」
"魅音"の呼ぶ声で、"詩音"がまどろみの中から目を覚ます。
「ほら、見てみて!そと!!」
"魅音"に言われ、布団から出て外を見る。
「……ぁ…」
「すごいでしょ、雪!」
庭一面に広がる雪。
初雪だ。
「すごい、真っ白だね…」
「でしょ!ほら詩音、外出よ♪」グイッ
「あ…待ってお姉ちゃん…!」
コートを羽織らせながら"詩音"の手を引き、雪の積もる庭に出る。
「ほらほら詩音!早く来ないと置いてっちゃうよー!」
「ま、待ってよぉー!!」
"魅音"が家の敷地内を飛び出し、近くの森に足を踏み入れる。
そして、少し遅れて"詩音"も…。
「詩音!ここ、すごいよ…!!いっぱい雪……あ、…あれ、詩音…?」
…いつの間にか、"詩音"の姿を見失った"魅音"。
「…どこ行ったんだろ…」
来た道を引き返しながら"詩音"を探し始める。
* * *
「…ぅう…お姉ちゃん、どこぉ…?」
"魅音"とはぐれた"詩音"は半分涙目になりながら、"魅音"を探す。
「ぁう…寒い…冷たいよ、お姉ちゃん…」グスッ
さっきは穏やかに降っていた雪も少し強くなり、吹雪いてくる。
しばらく歩くと、木の根付近にちょうど良い大きさの穴を見つけた。
「…ここなら…ちょっとは暖かい…かな…?」グス
…
…………
"詩音"が再び、まどろみの中に入ろうとした、その時…
「…ぉーん!!…しおーーん!!!」
遠くから声が聞こえた。
「あ、いた!!詩音、探したんだよ…?」
「ふぇ…お姉ちゃぁあん…!」
泣きながら"魅音"に抱き付く"詩音"。
「こら、泣かないの…」
そう言いながら、自分の額を"詩音"のそれにコツンと軽く当てる。
「ぁ……」
「元気の魔法☆…もう泣いちゃダメだよ…?」
「……う…ぅん…」
泣いてる時も、落ち着かない時も…
いつだって、こうすると"詩音"は大人しくなった。
一種のおまじないのような物だろうか。
「帰ろっか、詩音」
「うん…お姉ちゃん…!」
* * *
「っていうこと、ありましたよねー…ねぇお姉☆」
「わぁああああ!!!な、何昔のこと話してんのさ!!」///
「あの頃はお姉ちゃん、お姉ちゃんって可愛かったのに………はぁ…」
「なにそのため息!!
おじさんだって、今でもそれはそれは可愛i「どこがですか」
「最後まで言わせてよ!!」
「お姉が嘘つくのがいけないんじゃないですか。」
「ぶーぶー!そりゃレナとか詩音に比べたら?…可愛いとは…言えないかもしれないけど……」シュン
「(あー…全く…このバカお姉は…)」
1人で盛り上がって、1人で落ち込んでる魅音に…
コツン
「わ…な、何っ!?」
「さっきも話したじゃないですか…元気の魔法☆」
「…っ////」
「くすっ、何赤くなってんですか」
「あ、あああ赤くなんてなってないもん!!」//
「まぁ、そういうことにしといてあげますよ…"詩音"」
「ぅ…//……お、お姉…ちゃん…?」
「あはっ、…早く元気になぁれ☆」
充分可愛いじゃないですか…
詩音…