創作

□グッバイ、ウィークエンド
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今日は最悪だった。最悪なのはいつもだが、今日は『特別に』最悪な日だった。


まず目覚まし時計がきちんとセットされていなかった。おかげで完全に寝坊してしまった。急いで駅まで走る。当然朝食はナシだ。駅に着いた。定期を忘れた。財布も忘れた。家に帰り定期を引っつかみ駅へ。今度こそと飛び乗った電車が満員、しかも逆方向。最悪だ。


ようやく学校へついたのは昼頃。お腹が減っていたが弁当を忘れた。財布を忘れたので買うこともできず、おかずをもらえるほど仲良しの友達もいないのでいつもしているように寝たふりを決め込んだ。その後体育でグラウンドを何週も走らされ、苦手な数学では一際難しい問題を解かされた。


帰る頃には身も心もぐったりとして、思わず涙がこぼれそうだった。


ようやく家に帰ったとしてもどうせ両親が酒瓶を転がして大喧嘩してるだろう。夕飯は自分で作ることになりそうだ。


冬の寒さが陽が落ちることで一段と身にこたえた。寒い。


朝から何も食べていないせいか、くらくらする。


このまま飢えと寒さで死んでしまうのでは、と考えていると、つい死ぬのも悪くないな、と考えてしまった。



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