Tales of Dreams

□どうしたんだろ?
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入学早々にテイルズ学園を欠席したブリッランテ。
突然の体調不良だったので大事をとっての休み。

狩りを終え、肉少々と野菜主食の夕食を済まし、いよいよ寝る頃合いだ。

「おやすみ、リュウセイ」

「ああ…」

新しいものが届くまでベッドは一つ。
ここはリュウセイ、妹にベッドを譲る。
…そろそろ床で寝るのも慣れたものだ。

「…むにゃ…」

よっぽど狩りに体力を消耗したのか、ブリッランテはすぐに眠りにつく。

一方リュウセイは剣をそっと携え外へ。
妹を気遣い、扉を開ける音一つたてない。

「様子はどうだ?」

不意に少年の声がリュウセイの耳に届く。

「…普通の女の子だと言っている。何度聞きに来れば気が済む?」

彼女が見た男の姿は―

動物の頭蓋骨を仮面として被り、漆黒の服に身を包む小柄な少年、
ジューダスだ。

「ブリッランテとか言う女には見覚えがある。だから確証を得るために何度もお前に聞きに来ているんだ」

「…おかげで俺は睡眠時間を削られているのだが」

「それは僕も同じだ」

両者沈黙。
譲り合いが続いた結果、リュウセイがそれを破る。

「本人に直接聞けば早い。学生同士だろう?」

「気は進まないが、それもそうだな。…帰るか」

闇夜に紛れて帰るジューダスをリュウセイは無言で見送った。

やがてジューダスが完全に去ったことを確認し、剣を鞘から抜く。

「…………」

目を閉じ、剣を自らの目の前にかざすことで精神を研ぎ澄ませる。

「…?…」

極限まで精神を研ぎ澄ませると、ほとんど気のない気配を感じとれた。

…何かいる…―。

鳥が飛び立つのを合図に、何かは動き始めた。
リュウセイも殺気を隠し剣を構える。





キイィィン―!

刃を交える音が辺りに鋭く響き渡る。
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