ぷよ小説倉庫
□My House
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ああ、ヒマね……
ラフィーナがそんな事をぼーっと考えながら学校の廊下を歩いていると、
眼鏡の少年、クルークがこちらに向かって来た。
(ちっ!嫌なヤツに出くわしてしまいましたわ…!)
早速お得意のイヤミをぶつけてくるのだろう、と身構えていたが、彼はラフィーナに話しかけてくるどころか気付きもしなかった。
何やら雑誌を読みながら歩いている。
(月刊クロマージュ……?)
視力の良いラフィーナは、彼が持っている雑誌が何かをすぐに確認する事ができた。
「そんなに面白いんですの??ソレ」
以前アミティから、
「クルークって……月刊クロマージュっていうエロ本読んでるんだよ!あ、コレ…二人だけの秘密だからね♪」と聞かされた事があった。
だから、ちょっとからかってやろうという悪戯心が働いたので、彼の持っていた雑誌を取り上げ、パラパラとめくってみた。
「へぇ……あら、こんなページも……まぁ!何て過激な写真ですの!!?///」
「!!??僕が読んでるのはそのページじゃない!!;;///そんな写真とかどーでもいいから、早く返してよっ!!///ラフィーナ!!;;///」
「あ〜ら、アミティさんには自分から進んでこの本を見せたっていうじゃない…私が見たって構わないでしょ」
「君がソレ読んでるとなんかイライラするんだよっ!」
「どーゆう意味ですの?このエロメガネ」
「!??///;;し、ししし失礼な!!;僕はメガネでもエロじゃない!!……コホン、僕が読んでたのはレムレスのページさ!!レムレスはスゴイんだ!!君なんかとは違ってね」
「レムレス……」
(ちっ!『変な写真を見ていた』って皆に言い触らすつもりだったのに)
恐ろしく腹黒い事を考えていると、クルークはラフィーナから雑誌を引ったくり、『特集!かの若き天才魔導師、レムレスへのインタビュー!』と書かれたページを堂々と見せた。
「へっへ〜ん!どうだ、スゴイだろ!!」
まるで自分の事のように威張るクルーク。
確かにレムレスはまだ若い学生なのに、数々の業績をあげていたようだ。
「ええ、レムレスが優秀な魔導師だという事は知っていましたわ」
何気なく彼のプロフィールを見ていたら……ラフィーナはふと、不審な点に気付いた。
「…この、苦手なモノ=自分の家っていうのは、どういう事ですの??」
「??!え!?……そ、それは……その……」
「なによ、言ってみなさいよ」
歯切れが悪いので、軽く首を締め上げながら拷問……いや、尋問してみた。