ぷよ小説倉庫

□モンキチョウ
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今日は春休み明けの始業式。

学年が上がると同時に、クラス替えがあった。

新しい教室、新しい席。

空色の髪を持つシグは、自分の席でボーッとしていた。

新しい先生が来るまでこうして教室で待っていなければならないのだが、

何をしているのか、中々やってこないので、

「……うぅ、段々眠くなってきた……」

ポツリと呟くと、そのまま自分の机に突っ伏して眠ってしまった。





「遅くなっちゃって、ごめんなさいね」

「全く……なんだかんだで、アコール先生もとろいんだニャ」

「あ、今年もアコール先生だ♪」

「そうね、アミティさん。今年もよろしくね」

「は〜い!」



……アコール先生?
ボクの頃とは違う、新しい先生だ

……それに、さっきまで誰もいなかったはずの席から、女の子の声が……

アミティっていうのか

起きてみようかな……
うーん、でもやっぱり眠い……

うん、寝よう


再び眠ってしまったシグを、ポポイが目敏く見つけた。

「…で、先生が来ているにもかかわらず、いつまでも寝ているそこの生徒は誰かニャ??」


クラスほぼ全員「!!」


アコール先生といえば、その正確無比な《チョーク投げ》が有名である。

担任がアコール先生になった事の無い生徒すら知っているほどだ。

決して、たかがチョーク投げとバカにしてはならない。

なにしろ練習、練習、特訓を積み重ねた先生のチョーク投げは、

岩をも砕く、強大な威力があるのだ!!!
(マジかよ;)


だというのに、新学期早々居眠りをするなんて……

一体どんなヤツだ、と
シグに好奇心と哀れみと呆れとが入り交じった複雑な視線が、一斉に注がれる。

「……キミは…シグ君ね…最近春休みだったから、上手くやれるかわからないけど……フフ」

キラリと眼鏡の奥にある目が光る。

邪悪な笑みを浮かべたアコール先生……

怖い、怖すぎる。


今にもチョークを投げんとする時−−−。
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