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□●それぞれの旅立ち〜アイリーン編〜
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ー外部居住区ー
ズズンと音をたて最後のオウガテイルは倒れた。
数十匹のオウガテイルの屍の中、一人の少女は神機についた血をふるいながら言った。
アイリーン「うん!!やってやったぜぃ♪」
辺りを確認すると、動いているアラガミはもういないようだ。
ふぅ…っとため息をつく少女に、同じ部隊の仲間が駆け寄ってきた。
タツミ「よぅ、おつかれさん!!」
ブレンダン「お前さんのとこも済んだみたいだな。」
カノン「アイリーンさん、流石です♪」
フェンリル極東支部第二部隊。
主に外部居住区に侵入したアラガミの撃退と市民の安全の確保を使命としている部隊である。
今回は居住区に侵入したオウガテイルの群れの殲滅を任務としていた。
アイリーン「あ、みんな。大丈夫だった?」
タツミ「あぁ、特に目立った被害はなかったぜ」
ブレンダン「強いて言うなら、民家が一軒荒らされてしまった事だな。幸い死者は出なかった。」
アイリーン「そっか。」
死者は出なかったとは言え、完全に被害は無かったわけではない。
その現実に胸が痛んだ。
タツミ「まあ全部を救うってのはなかなか難しいもんだ。けど俺達がいる限り、アラガミの好きにはさせない。そうだろ?」
アイリーン「うん。そうだね♪」
そういってアイリーンは少し笑顔を見せた。
タツミ「さてと、ヒバリちゃんに報告しないとな」
そう言いながら第二部隊隊長である大森タツミは通信機を取り出した。
ピピピピ
タツミが発信する前に通信機が鳴った。
タツミ「おっと、もしもし?ヒバリちゃん? 任務なら今終わって……」
ヒバリ「タツミさん!大変です!! B24エリアに新たなアラガミが侵入しました!!今回は大型アラガミ一体です」
タツミ「分かった!!」
簡潔に返事をし、通信を切った。
タツミ「B24エリアにアラガミが出たそうだ。今からー」
向かうぞ。そう言い終わる前に、一人の人影が目の前を孟スピードで横切っていった。
その人影はアイリーンであった。
タツミ「あいつっ!俺らも後追うぞ!?」
ブレンダン「分かった!」
カノン「はい!」
通信機が鳴った瞬間、何となく予感した。
そして一刻も早くいかなければならないと何故か思ったのだ。
アイリーン「B24エリアには、あの子達がいるはず!」
絶対に被害は出さない!!
そう強く思いながら、アイリーンはアラガミのいる場所へ駆けていった。