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□●それぞれの旅立ち〜加原響鬼編〜
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それから7年後、


あの惨劇を生き残った響鬼は16歳となり、比較的安全な居住区を転々としつつ1人暮らしていた。
育ててくれた親代わりの人達も、寿命で亡くなった。


あのとき助けてくれたゴッドイーター達に、一緒に来るかと言われたが響鬼は断った。


自分のそばにいる人達を何がなんでもそばで守っていたかった。


しかし、もう守る人も今は皆いない。

そんなとき響鬼は居住区で、1人の女性と出会った。名はルミネ。
その女性は幼い頃に両親を亡くしており、今は1人で暮らしているという。

年齢も近く、似たような境遇というのもあり響鬼とルミネは引かれあっていった。


ルミネ「ねぇ、響鬼。あたし達出逢えて良かったわね。」

響鬼「急にどうしたの?」

ルミネ「響鬼と出逢えて、最近幸せだったから怖くなったの… あたし病気持ちだからきっともう長くないわ。だから」

響鬼「なにいってんだよ。これからまだまだ幸せになるんだよ。それにどんなことからも俺がルミネを守るから♪」

ルミネ「……響鬼ったら//ありがとう。」




そんなある日、また居住区にアラガミが侵入してきた。

アラガミは複数体おり、周りには逃げ惑う者、食われる者で溢れていた。


二人はなるべく見つからないように、建物の陰から陰へと逃げ続けていた。

しかしー

ルミネ「キャッ!?」


建物の出っ張りにルミネがつまづいてしまった。
響鬼「ルミネっ!」

響鬼はルミネの手をとって、体勢を整えさせた。
そして、再び走り出そうとしたが


グルルルル……
二人の目の前にはアラガミ、オウガテイルがいた。


響鬼「くそっ!!」
急いで来た道を引き返そうとしたが、オウガテイルの尻尾で吹き飛ばされてしまった。

響鬼「ぐはっ?!」

ルミネ「響鬼っ!」

響鬼は体勢を立て直そうとするが、痛みで足がおぼつかない。
その間にもオウガテイルはルミネに詰め寄る。

ルミネは腰が抜けてしまい立つことが出来ずにいた。

響鬼「ルミネっ!逃げろ」


響鬼は体勢を崩しながらも叫ぶ。しかし、オウガテイルはルミネまであと一歩のところまで近づいていた。


また守れないのか

また大事な人を失うのか

そんな考えが頭をよぎる。
もう間に合わない。

そう思った瞬間ー
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