FAIRY TAIL

□act.16
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「私のために壊れて?―あぁ、違うな。僕達のために壊れて?」







そう笑いながら言う彼女はその言葉を悪意をもってして言ったわけでは無い。
本当に無邪気に、ただ純粋にその言葉を紡いだのだ。
子供が誰かに、遊ぼう?―そう言っているように。





「これはまた、とんでもないものを呼び起こしてしまいましたか。」

 ・
『僕を呼び出したのはこの子だけど、まぁ原因的にはそうなるかなぁ。』


「ところで、貴方は何です?」






一瞬呆気にとられたようにポカーンとしていたネアだが、
すぐにクスクスと笑い出した。





『さすが、聖十魔導士なだけあるようだね。僕の存在に気づくなんて。』


「もう隠す気もないようですが。」


『そうだよ僕は彼女であって彼女ではない、全く別の意思を持った存在。
人は僕のことを"闇"って言うだろうね。』


「闇の精霊そのものだということですか。」


『まぁ、そういうことになるね。』


「良いのですか?こうして話している間にも貴方の仲間たちは
どんどんと傷ついっているのに。

エルザはジュピターを受け重傷。
着々と煉獄砕破は完成していっている。」







ネアは興味が無いというようにジョゼの言葉を嘲笑った。






『興味がないな。僕が大切なのはあくまでこの子だからね。』


「ネア・イシュタールが無事ならば、他はどうなってもいいと?」


『僕的にはそうなんだけどね。この子がそうじゃないから、』


「私を倒すと…?」


『そうしようと思ったけど今はやめた。』


「?」


『僕が思っていた以上に、妖精の尻尾はやるようだからね。』









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「ど…どこだ!!?」


「終わりだ火竜…あなたにマカロフとネアと同じ苦しみを与えてやろう。」





ナツが気づいたときにはアリアは後ろに迫っていた。





「空域"滅"!!!その魔力は空になる!!!」


「やば…。」


「ナツー!!」




攻撃を食らうナツだったがそれをエルザが助け出す。





「エルザ!!!」






嬉しそうに名前を呼ぶハッピー。ナツは心配して話しかけるが
エルザは怒りに満ちていた。





「私達の仲間と親に手を出したのはこの男だな。」


「エルザ…。」


「ふふふ…さすがにエルザが相手となると…この私も本気を出さねばなりませんな。」






そう言ってアリアは自分の目隠しを外した。






「来い、エルザ。」





アリアは魔法を発動しエルザとの戦いに備える。
その魔法は、人の命を食う魔法―




「なぜそこまで簡単に人の命を奪えるんだ!!!貴様等は!!!」


「さあ、楽しもう。」





次々と繰り出される空域を切り裂いて進むエルザに驚きを隠せないアリア。
そしてエルザは魔法鎧に換装した。




「天輪・繚乱の剣!!」


「がふぉっ。」


「マスターやネアが貴様ごときにやられるハズがない…

今すぐ己の武勇伝から抹消しておけ。」





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『煉獄砕破…止まったみたいだね(クスクス』


「ありえんっ!!!エレメント4が妖精の尻尾のクズ共相手に
全滅したというのかぁっ!!?」


『だからさぁ、あとは君を倒せばいいんでしょ?』





そう言った瞬間、ネアの目がギラリと光ったまるで獲物を捉えた獣のように、
なんとも言えぬ寒気が背筋を襲ったジョゼは、ネアを魔法で吹き飛ばした。
それと同時に鉄竜のガジルが部屋へと入って来た。









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