FAIRY TAIL

□act.15
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見渡してみればそこは石で作られた牢屋だった。
その牢屋は閑散としていて石は少し崩れていてクモの巣がはっていた。







「ん?」







そんな中でルーシィは目覚めた。








「何これ!!?どこぉ!!?」


「お目覚めですかな、ルーシィ・ハートフィリア様。」


「誰!?」


「幽鬼の支配者のギルドマスター、ジョゼと申します。」


「ファントム!!?」







閑散とした牢屋の中でルーシィは衝撃的な事実を教えられる。
妖精の尻尾が襲われたのは自身の父親のせいだということを。







「そんな…ウソ…なんであの人が…。」


「それはもちろん、かわいい娘が家出をしたら探すでしょう普通。」


「しない!!!あの人はそんなこと気にする人じゃない!!!」


「あたし絶対帰らないから!!あんな家には帰らない!!」


「おやおや困ったお嬢様だ。言ったでしょう?全てはあなたの態度次第だと。」


「何を言って…!」


「おわかり頂けましたかな?彼女の命もまた、あなたの態度次第。」


「ネア…!?」












ジョゼの言葉の意味はジョゼが持っていた鎖の先にあった。
その先には鎖につながれたネアが力なく横たわっていたからだ。
体のあちこちに傷がありその顔色は通常よりも青かった。







「ちょっとネアに何したの!!?」


「彼女は枯渇という魔法。つまり対象者の魔力お流出させる魔法を受けたわけです。
流出した魔力はやがて空中を漂いやがて消える恐ろしい魔法ですよ。」


「そんな…!」


「あなたがおとなしく捕まるというなら、彼女を解放しても良いということです。」


「あたし、あたしが捕まれば。」


『そんなことしなくて良いルーシィ。』







死にかけているとは思えないほどハッキリとした声が牢屋に響く。
驚いてこの先をたどるとネアが壁に寄り掛かりながらジョゼを睨んでいた。







「貴様…いつのまに。」


「ネア!!」


『あんな奴にやられるほど私はヤワじゃないよ。』


「起き上がるだけでもやっとだろう。」


『レイズ!!』


「きゃあ!」


ドゴォォォン


「そんな状態で魔法まで使うとは、…本当に死にますよ?」


『言っただろうそこまでヤワじゃないと。』


「良いでしょう。痛い目見せてあげますよ!!」








次の瞬間ジョゼはネアへと襲いかかった。
繰り出される攻撃をネアは交わす体力もなく次々と受けていった。






『かはっ』


「ネア!!もうやめて!あたしが捕まればいい話なの!!」


『そんなの!!私が認めない!』


「でもっ!」


『私のために人生を捨てる必要はない!行け!!」


「ネア!!だったら一緒に!」


「逃がしませんよ。」


『く…っそ。』







攻撃を受け続け意識が朦朧としている中ネアは希望を耳にした。
その希望に思わず口元を緩めるとジョゼが可笑しそうに笑い出す。







「ついに壊れでもしましたか?」


『希望が、近づいてるのさ。』


「何を戯言を…。」


『ルーシィ。』






ネアは背中に庇うようにして隠しているルーシィに
ジョゼに聞こえないくらいの声で言った。ナツが来ていると。





「ナツが?」


『ここで2人とも捕まるのは得策じゃない。狙いはルーシィなんだ。
捕まればいいって問題じゃないルーシィは仲間だ、見捨てるなんてできない。
ワガママを言うな。これは私の命令だ。』


「…うん。」


『行け!!!ルーシィ!!』







ネアの掛け声と共にルーシィは外へと逃げた。
ネアはジョゼが追いかけないようにジョゼへと攻撃を仕掛けた。







「まさか自身が囮になるとは。」


『生憎お前に差し出す仲間は居ないんでね。』


「ほざけ!!なぜ貴様にまだ魔力がある!?」


『自身の魔力は流出しているが、魔力はそれだけじゃないから。』


「貴様ー!!」






そこから記憶は無い。






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