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□最悪な1日のはじまり
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母さんの突然の再婚宣言から2日。

勤務時間帯が違うため、あれから、1度も顔を合わせていない。

つまり、再婚相手の情報は「智和さん」という名前だけ。


“無理”


一言で返信し、店の前から離れようとすると、即座に母からの返信が届いた。


“葵ちゃんなら大丈夫”


…なんて無責任な。
予想はしていたけど。

ここからは、母さんとの我慢比べ。


“無理です”


“智和さんはスーツ着て
奥の席にいるって”


“ホント無理”
お店の前で待ってるから、早く来て。”


“お母さんも無理”
“お願い”



母のメールはひどく可愛らしい絵文字を交えて送られてくる。
句読点のみの私とは大違い。
母がどんな顔でどんな気持ちをしているのかを克明に察することが出来て、嫌になる。
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