BOOK

□最悪な1日
1ページ/4ページ

2012年2月23日

金曜日の仕事終わり

本来なら、仕事からの解放感で、1週間の内で1番安らぐ時間帯。


そんな時に
母の再婚相手として
高校の時の先生と再会。








笑えない。





全然、笑えない。




先程から、先生とは終始無言で向き合っている。


手持ち無沙汰な先生は、コーヒーを何度も口に運ぶ。

カップを傾けると、空になっている事に気付いて、慌てて戻す。

もう何度となく同じ事を繰り返している。


私は、目の前に置かれた紅茶をただひたすら見ながら、先生の腕の動きだけを、視界に入れていた。


他にどこを見ていいのか、分からない。


何を考えればいいのか、分からない。


「深雪さん、…遅いな」


先生がぽつりと独り言の様に呟いた。



母の名前を先生が呼んでいる。


その事実が、「これは現実だ」と突き付けてくる。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ