□サヨウナラ、大好キダッタ人
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視線の先には貴方の亡骸。
いつかはこうなるコトは分かっていた。
でも心の中の何処かではソレを認めたくなかった。



……貴方のコトはそんなに好いていなかったハズだった。
なのに苦しい。
狂いそうな程淋しい。
何故か憎らしくもあって。



――嗚呼、何時の間にか愛しく想うようになっていたんだ。
だから苦しくて淋しくて憎らしかったんだ。


理解できたのは今更で。
“貴方の代わりなんて誰もいない”…そんな簡単なコトも今になって気付いた。


…思わず泣けてきてしまった。
自分の鈍さに腹が立ったのもある。
でも、一番に自分があまりにも非力で、そして惰弱なのが悔しかった。



――――もし今、貴方のコトを愛しく想っていなかったら、こんなに苦しむコトも無かった?
こんなに涙を流すコトも無かった?
人を愛するコトを知らずに済んだ?
死んだとしても狂おしく想うコトもせずに済んだ?



貴方はズルい。
僕にこんな感情植え付けて勝手に逝って。
…でもそんな貴方が大好きでした。

―守れなかったのならせめて優しく弔おう。

‐Good bye,the parson who love it.


(サヨナラ、大好キダッタ人。)
(亡骸に最後の接吻を。)

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