〜彼の弱点?〜高杉編〜
ヒロイン『っく……』
高杉『どうした?やけに顔が赤いな?』
夜、日付がまだ変わる前。
そっと藍屋の一室に忍び込んだ俺は、この部屋の主であるこいつにそう、声を掛けた。
ヒロイン『そんらころ、らい、れすっ!』
高杉『……ん?』
何だか様子がおかしい。
呂律も回っていない。
ヒロイン『高杉さぁぁんwww』
肩を掴み顔をのぞき込もうとすると、いきなり抱きつかれた。
高杉『な、なんだ、いきなり。』
ヒロイン『へへっ、驚いた高杉さんの顔、可愛い!』
そう言うとこいつは、事もあろうかそのままぶつける様に口付けをしてくる。
ヒロイン『…んっ……』
女の方からされるなんざ、なかなか無い事柄だが、遺憾せんむず痒い。
高杉『……良い心掛けだ、だがそんなやり方じゃ、俺は落とせんぞ?』
唇が離れるなり、にやりと笑って抱きつかれた身体を反転させると、こいつは目を丸くして俺を見上げてきた。
ヒロイン『…えっ、あ、…あれ…?』
高杉『何だ、勝ったつもりで居たのか?
甘いな、あれぐらいでは押し倒したうちに入らない。
押し倒すと言うのはこう言う事だ。』
言うなり今度は俺から唇を重ね、吐息をさせる暇も与えず口付ける。
蕩けた瞳が堪らない。
高杉『酔っていると普通より感度が上がるらしいな?
その身体で試してやろう。
そうだな…お前から仕掛けたんだ、自分で感じる場所を探すと言うのはどうだ?
その方がよく覚えられるだろう。』
ヒロイン『っ…、た、高杉さ……?』
蒸し暑い夜、声を堪えながら感じるこいつを、夜通し抱いたのは言うまでもない。
<side ヒロイン>
ヒロイン『うぅっ…喉が痛い…』
朝方、白む空と、高くなる陽が、じわりと肌を湿らせて行く。
その纏わり付く様な暑さに気怠い身体を起こすと、ずきんと身体中に鈍い痛みが走った。
隣に高杉さんは居なかったけど、身体中に付けられた痕と、微かに残る香りに、昨夜の事が否が応でも蘇る。
『……///』
暑さの所為だけじゃなく、頬が熱を持ったけど、わたしは知らないふりをした。
うぅっ…高杉さんのばかぁ……