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□祝!! 誕生日 不二先輩
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2/29は私の恋人、不二周助の誕生日。

やっと待ちに待った閏年。

この、4年に1回の誕生日を、どうやってスペシャルにすれば良いか…

現在模索中だったりするそんな2/28。


「アンタ誕生日プレゼントもまだだったの!?」

親友に言われました…


「うん…」

「今日、何日だと思ってんの!?」

「28日…」

「誕生日は?」

「明日…です… ごめんなさい…」

「あたしに謝ってどうすんのさ!! 今日ちゃんと買いなさいよ?」


そんなこんなで放課後。

街に出ました。


アクセサリーショップ…

アクセサリーかぁ。

あっ洋服もいいかも?

でも好みわかれるしなぁ…


そこで通りがかったのは……



2/29。

僕の誕生日。

柄にもなくワクワクしてる。

なんて言ったら、笑われちゃうかな?

でも、あながち嘘でもない。

実際昨日なかなか寝付けなかった。

フフッ… 僕にとっては4年に1回の大イベントだからね。


「じゃあ行ってきます」

由美子「あら周助、今日は部活ないのね」

「うん。今日はオフ。あっでも…」

由美子「デートでしょ? 裕太が帰ってくるの遅くなるみたいだから、夕飯も遅くなるし、ゆっくりしてきなさい?」

「ハハッ 姉さんにはかなわないなぁ…」

由美子「美味しいケーキ焼いて待ってるわね」

「楽しみにしてるよ。行ってきます」


忙しい部活のために、なかなか出来ない放課後デート。

どんな風に過ごそうか、今から頭がいっぱいだ。


「周助おはよー!!!!」
そう言いながら走って来る姿は本当に可愛い。

「おはよう」

「お誕生日おめでとう!! 誕生日当日に言えるの、なんか新鮮だなぁ」

えへへーと言いながら、顔をクシャッとして笑っている。

作らない自然な笑顔。

僕の周りに集まるファンの子達はしない、この笑顔に惚れたんだ。



放課後。

こんなに授業が長く感じたのはいつ以来かな?

待っていられなくて、ホームルームが終わってすぐ迎えに行った。


「あっ、周助!! 帰ろー?」

「うん、帰ろうか」

いつもより帰り支度が早かったのは、僕と同じ気持ちだったってことでいいのかな?



公園のベンチに座る。

「改めて… お誕生日おめでとう!!」

渡されたのは、小さなサボテン。

「周助、サボテン好きだったでしょ? お花屋さんの前を通ったら、このサボテンがあまりにも可愛くて」

そう言うキミの方が可愛い、なんて言ったらキザかな?

でも、本当にそうなんだから仕方ない。

「ありがとう。僕の好きな物、覚えていてくれたんだね?」

「もちろんよ!! 何年、彼女やってると思ってるの?」

「アハハ… そうだね」

あっ、そうだ。

サボテンといえば…

「サボテンの花言葉って知ってる?」

僕がそう訊くと、驚いた顔。

「え? サボテンにも、花言葉あるの?」


あるんだよ。

素敵な花言葉が。

僕達にぴったりの花言葉が。


「いろいろあるけど僕が特に好きなのは『枯れない愛』かな」

「枯れない…愛?」

「愛してるよ。ずっとずっと」

「私も… 私も愛してる!!」


「これからも僕と一緒に、この日を過ごして欲しい。15回… いや、20回」

「20回かぁ〜 長生きしなきゃな〜」


手をつないで歩いた。


次の閏年はきっと…
そんな想像をしながら。
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