涙のアトは…

□涙のアトは…
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顧問「残念だけど廃部ね…」

「はい…」



私、佐々木 莉仁。

立海大附属中学校に通ってる。

先月中学2年生になった。

華道部所属。

あっ、たった今廃部になったから、元華道部になるのか。

何で廃部かって?

先輩達が卒業したら、私だけになっちゃってね。

残念ながら新入部員もいなくて。

さらに、顧問が産休。

指導出来る先生もいなくて、どうしようもなかった。

立海は部活強制。

どこかに入らないといけないんだけど…

中2だし。

5月だし。

めちゃくちゃ中途半端じゃない?

だから他の部活に行く勇気が、一歩踏み出す勇気が…

無い……



・・・・・・



【数日後】

美佐「あらあら、まだ部活見学してなかったの?」

「うん…」

美佐「何か気になる部活は?」

「別に無いんだよね。受験する時から華道部に入るって決めてたから」

美佐「莉仁、ホント花好きよね」

「うん。やっぱりいいよ、花は」

窓から花壇を見る。

チューリップが咲いてる。

赤にピンクに黄色に…

もうすぐ終わっちゃうかな。

「花はいつか枯れるけどね、咲いてる時に諦めたりしないじゃない? どうせ枯れちゃうんだ、って」

美佐「うん」

「強いよね… そこが好きだよ。そんな花をさ、もっともっと綺麗に魅せてあげたいって思うんだよね。だから華道もガーデニングも好き」


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