心からの笑顔で
□心からの笑顔で
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さて、帰りのHRが始まるわね。
背筋を伸ばして座り、担任が入って来るのをじっと待つ。
隣りのクラスが少し問題を起こしたみたいだから、今日のHRは長引きそうね…
担任「お前達も知っているだろうが、先日隣りのクラスでイジメが…」
思った通りね。
担任「どんな小さい事でもいいから、何か知っている事があったら教えて欲しい」
隣りの席を見ると、景吾がイライラしてる。
早く部活を始めたいのね。
生徒会の仕事もあるのかしら…
生徒A「…が……だったらしいです」
生徒B「あっ、俺も知ってる」
担任「その話、詳しく聞かせてくれ」
かれこれ一時間ぐらいかしら。
相変わらずHRが終わらないわ。
担任「榊原さんは何か知っているか?」
担任が、ずっと黙っている私に質問して来た。
まぁ、仕方ないわね。
答えてあげるわ。
「いえ、詳しくは知りませんわ。ただ、私が思うにどちらにも原因があったのではないかと。でも勿論どんな理由でも虐める事はいけませんわ。ですから、当人たちの言い分をちゃんと理解してあげながら、イジメは良くない事だと注意してあげたらいかがかしら。こんな噂や本当かどうかも分からない情報を集めるのでは無くて」
つまり、早くHRを終わらせろって事なんだけどね。
周りでは、さすが榊原さんとか、かっこいいとか言っているけれど。
担任「た…確かにそうだな。貴重な意見ありがとう榊原さん」
普段あまり喋らない私がかなり喋ったから、担任も驚いている感じね。
それからすぐにHRは終わったわ。
帰り支度をしていたら、榊先生が入って来た。
榊「跡部は…ここではなかったか」
「えぇ、HRが終わったらすぐ出て行きましたわ」
榊「跡部に渡さなければいけない資料があるのだが、生憎私は出掛けなければならなくてな」
つまり私に渡して欲しいと?
まぁ榊先生は私と跡部が幼なじみだって知ってるしね。
「私が渡しておきますわ」
榊「本当か?それなら榊原、頼んだぞ」
「えぇ」
榊「ご苦労行ってよし」
さて、景吾に会いに行きますか。
…続く
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