月
□流れ星再び
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何回目になるだろうか。
こうして彼女を誘って出かけるのは。
初めてデートだと言って連れまわした時はまだ戦いの最中でなにより俺たちのプリンセスが見つかってしなかったこともあり、途中で敵と戦うことになったり、
彼女に隠し事があるという罪悪感もあった。
しかし今は違う。ギャラクシアのとの戦いも終わり再び地球に平和が訪れた。
俺達スリーライツはプリンセスを無事故郷へと送り届け再び地球に来ている。
すぐに彼女の家に行き、彼女を連れて近くの公園で今はブランコに乗って語らっている。
「なーんで、あんただけ帰ってきたの?」
「たのーv」
「なんでって・・・」
素直すぎる質問に、少し言葉に詰まった。
故郷に帰ったあと、大気に地球に想い人が地球にいるとプリンセスにバラされると、
なんか物凄いキラキラした笑顔で休暇をくれたのだ。
なんでも3人だけで辺境の星で頑張ってくれたからその褒美なんだそうだ。
「ご褒美ねー。で、地球でどんなご褒美があるわけ?」
「わーけv」
「え///えっと・・それは・・・」
「うんうん」
「うんうんv」
「そんな事より、俺もお前に聞きたいことがある!!」
「な、なによ急に・・・」
「ちびちび〜v」
「なんでまだコイツがいるんだ!?」
自分の足にしがみついていたチビ助を抱き上げておだんごの前に掲げて見せた。
「これってギャラクシアの一部だろ!?」
「うんv」
「うんじゃねェよ!なんでまだいるの!?戦利品!?」
「え、なんかギャラクシアがまだ地球でゆっくりしていきたいって・・・」
「えー!こんな姿だけどギャラクシアなんだ!?なんか抱き上げちゃってごめんなさい!」
衝撃の事実に瞬時に元の位置に降ろす。
ってことはさっきまでギャラクシアが足に抱きついていたって事!?
「いいよーv」
「まぁ可愛いからいいじゃないv彼女もいろいろ大変だったのよ、ねー?」
なんの躊躇いも無く赤に近いピンクの髪をポンポンと撫でる。
お前凄いな!さすがプリンセス!
「ちびちび〜v」
嬉しそうにおだんごに抱っこされている姿は親子みたいで可愛いけど・・・。
なんだか疲れてきたので話題を変えた。
「そ、そういえばアイツはどうしたんだ?」
「アイツ?」
「お前の・・・恋人だよっ」
自分で言っているのだが、少し傷つく。
「あぁ、まもちゃん?まもちゃんはまだ海外だよ」
少しだけおだんごの表情に影が落ちた。
「・・・」
アイツ、ちゃんとおだんごを頼むって言ったハズなのにまだこいつを放っておいてるのか・・。
「あ、でも今回は無事に行けたんだよ!毎日とはいかないけど電話でお話してるし!」
寂しいけどなんとか明るく話してくれる彼女が痛々しかった。
「なぁおだんご・・」
「なによ?」
「俺とさ、もっと遊ぼうぜ!」
「はぁ?」
「だってまだアイツ帰ってこないんだろ?だったら少しくらい別の男といてもいいじゃん!」
「あ、あんた何言って・・・」
おだんごは戸惑いを隠せないようにわたわたとしているが、はっきりと嫌悪感を示したり断らないところを見ると、そんなに嫌われていないんじゃないかと期待が膨らむ。
「じゃ、決定な!」
「えー!ちょっと待ってよ、そんな急に・・」
「おーい、うさぎ!」
公園へ少年が走ってくる。たしかお団子の弟だ。
「まもるさんから電話あった」
「ええーーー!!」
ご近所のみなさんすみませんな声のデカさだった。
「でもお前がいないから、」
「うんうん、保留にしといてくれたのね!いい弟!」
お団子が笑顔で家へ駆け出そうとした。
「いや、代わりに俺がしばらく話して切った」
「・・・伸吾のアホーーー!!」
グッジョブ弟君。君は俺の仲間だ。後でサインをあげよう。
公園の真ん中でうなだれるお団子を眺めながら、次はどこへ出かけようかと携帯サイトで探す。
「お団子ー?こないだ動物園行ったろ?今度はさ、水族館とかどうだ?」
お団子は反応しない。
『ちょいちょい』と服を引っ張られた。
「ん?なんだチビ助」
満面の笑みを浮かべた少女はゆっくり口を開いた。
「間男」
「!?」
衛さん・・・
貴方よりも、仲間の戦士達よりも手ごわいのを残して行かれたんですね・・・
でも、俺は諦めません・・・!
END