月
□未定
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デマンドの衝撃の行動にも慣れ始めた頃、
うさぎはあることに気がついた。
「デマンド、なんで髪くくっているの?」
彼のイメージは目を引く
真っ白な衣装に紫のマント、
そして綺麗な銀の髪だ。
「・・・この時代の学生に合わせているだけだ」
曖昧な答えだ。
「まさか、服装検査引っかかった?」
デマンドは無反応だったのだが、
『びくり』とサフィールの肩が揺れた。
「きゃはははっ、そっかー、いくら王子様でも学生だもんねーっ。ちゃんと縛りなさいって怒られちゃったんだー!」
腹部を抑えるようにして笑ううさぎに、
デマンドの冷たい紫の瞳が光った。
「何が面白いのだセレニティ?」
ソファに隣に座っていたデマンドは急に迫ってきた。
「きゃっ///何よ急に近づかないでよ!」
端整な顔が思いがけず至近距離にあり、たじろぐ。
「わ、私まだ貴方に警戒を解いたわけじゃないんだからね!」
こんな状況で悪態をついてみても、何の意味も無い。