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□白雪甘味
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いつだって恋なんて心なんて。


雪みたいに、そっと消えていくんでしょう。


小さなお皿に盛り付けられた、こぢんまりとしたケーキ。
ケーキというか、なんというか。
もはやそのデザインセンスは常軌を逸していると思うのは私だけなのだろうか。


「友人の、矢張がデザインしたものだ」


なんて彼は言いながら、ケーキには目もくれずに紅茶を啜っている。


デザインは、ということは、製作したのは誰なのだろうか。
思いきって聞いてみた。


「ム。…、矢張のデザインは素晴らしいのだがな、なんというか、手元が…その、狂ったというか覚束なかったというか…」


ああなるほど。


デザインが常軌を逸しているのではなく、逆に常軌を逸しているのは彼の不器用さというわけか。


「…可愛いね」


ぐちゃぐちゃのケーキを目の前にしながら、笑った。


「…」


無言で抱き寄せられ、あたしは彼の首もとに吸い付いた。


「甘」


「馬鹿いえ」


「…ケーキありがとう」


「…時間を持て余しただけだ」


「知ってる」


「…うるさい」



ほんと好きだな、なんて実感しちゃうね(笑)


いつか終わりがこないことを願いながら、メリークリスマス。

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