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□優しすぎて
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時々すごい不安。
聞きたいよ、それは。
美柳さんとどこまでの関係にあったのかとか。
美柳さん以外に付き合ってた女性は他にいたりしちゃったのか、とかとか。
けどめんどくさい女は誰だって嫌いでしょ。
「あれー、裁判の書類知らないー?」
陽気に(?)話しかけてくる彼を見ると、自然に口元も綻んでくる。
悩んでても、仕方ないよね。
「書類ー?書類なら、こないだデスクにおきっぱだったじゃない」
「そうだっけ」
そうだよ、と笑いながら私も出勤の準備をする。
「今日、帰りなんだけど…」
「あのさ」
彼が口を開いた。
「…昔、なにがあったとしても…、愛してるのは、君一人だから」
真っ赤な顔でそう告げられて、私も思わず真っ赤になる。
「そそそそ、そ、う…」
泣けてくるし。
やめてよ、ほんと。
…嬉しすぎるじゃん。
「…、いってきます」
微笑まれ、私も言葉を返す。
「いってらっしゃい」