イナイレ
□無理だって言ってんだろ!!
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「いや。いやいや。無理だから。本当に無理だから。マジで」
こんにちは緑川リュウジです一応ヒロトの恋人です一応。
なぜ一応かって言うと俺は今その恋人ご本人様を疑っているからですこのやろう。
「どこの恋人にに嫌がる恋人を押さえつけて無理やりいきなり挿入しようとする奴がいるんだよ!!」
おかしい。俺とヒロトは強姦されてする仲じゃなかったはずだ多分。
まあ今までのはなんて言うか………………い
や、…うん、強姦だよね今までのもね。
だって嫌だって言ってるのに!!
合意を求めるということは少しは学習しようね
ていうかしてくださいお願いしますうわあああん俺って不憫。
「だって緑川が嫌がるから……」
まるで独りごとのように呟いて、やけに整っている白い肌の顔を接近させてくる。うわわわ、ちょっとまてちゅーしちゃう距離だろ馬鹿!!
俺が嫌がるからわざとやっているってどういうことですか。どんだけドドドドドSであれば済むのですかこの変態!!
お約束のように頭の上で拘束されている腕をなんとか開放したくて藻掻いた。そんな無様な格好の緑川に、赤い髪の少年はクスクスと苦笑をこぼす。だって嫌がる顔と泣き顔好きなんだもん。再び笑みをこぼすと彼は自ら縛り上げた恋人の頬にキスをした。
「気持ちよさそうに泣く顔もすっごい好きだけどね?」
「っ変態、」
悔し紛れにこぼれた小さな声をやつは聞き逃さなかったらしい。くそっ、地獄耳め。
「その変態に喘がされてイかされるのはどこのどいつかな」
知るか馬鹿。
「まあ別にいいけどね。今教えてあげる」
そして振り出しに戻る。
「いや、だからさっき言ったじゃん聞いてた!?ねえ聞いてました!?やだっていって、ぅひぃっ…!」
食まれた耳朶にゾクリと背中に何かが走る。
「やらしい声。いやいやって言いながら興奮してるくせに」
ね?と、言われて唇をかんだ。そんなわけない、といいきれない自分が嫌だ。
だから、いつもどおりにしてて。
そう甘くしっとりと囁かれて、ゆっくり下半身に伸ばされた右手を、やっとこさほどくことのできた左手で叩き落した。
「だから、ダメだってば!!」
緑川の絶叫にヒロトは青緑色の瞳を見開いた。
今までにない拒絶にびっくりしたようだ。
「今日はダメだっていってんだろこの馬鹿!!」
続けて激しい抗議を焚きつけるとさすがに聞く気になったのか、ヒロトは静止した。
緑川の上にまたがった状態で。
「で?」
不思議そうに首をこてん、とかしげる。や。で?じゃないって。たまにこんなふううに子供らしい面を見せるヒロトはやっぱり幼い大人だ。
「で、緑川の今日セックスしちゃいけない理由は何?」
あ、やべ。怒ってる。ヒロトはいいところで邪魔したり抗議したりするとこんなふうに不機嫌になる。こんな顔円堂たちには見せないくせに、俺の前でだけこんなふうに鬼畜で変態な態度を示すもんだからたまったもんじゃない。
こんなふうに、と言っても彼の変化のない表情に何かしら変わったところがあるということに気づくのは緑川だけである。
気づいてしまうから余計に厄介だったりする。
「………っ」
でもまあ抗議してストップしてくれたのはいいけれど、実はその理由は言いにくいというより、普通の人に、例えば風丸とかに言うなら全く問題ない言葉なのだ。
理由を話さなくてはいけない相手がヒロトだから問題なのである。
「ちょっと、緑川?だんまりになるのは無しだよ?はやく、どうしてダメなのか教えてよ」
教えてよ、と字面的にはなんだか優しい言葉だが、実際聞いてみると本当に怖いからこれ。
教えてよ、という強制ではないはずの意味が、白状しろといったようなニュアンスになっていいる。いったいどういうことだ
。
そしてヒロトは優しく、ゆっくりお腹をなでてくる。すりり、と、たっぷり精を注いだあとにたまにヒロトがやる、妙に温かみのあるその行為も、今では強迫のようなものでしかなかった。
「ねえ」
「………ぉ、」
「ん?」
もう限界です。無理です。
「……………かが、………ぃの…」
「何?もっと大きな声で」
「………っ!!」
「お腹が、痛いのーーーー!!」