プチ連載

□お帰りなさい
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そうだ…あの人はこうやって、戻ってきたんだ。

夢でも幻覚でもない。


餓死寸前で穴の中に落ちていたこの人を偶然見つけて助けたあの日とおなじ。

今度は餓死寸前で地べたに倒れていたこの人を私は偶然見つけて助けた。


あの日とおなじだ。





「なんでまた…一緒に寝てるんですか……。」



あの日と同じようにまた、この人と一つ布団の中で朝を迎えてしまった。


二つ布団を用意したのに。



「なんでまた裸なんですか…」


もはや、いくら布団を用意しようが意味はなかった。

上半身が裸では済まずこの人は布団を盛大に蹴っている。それだけに限らず遂には私の布団に転がり込んでいる。

明らかに寝相だ。



「勘弁して下さいよもう…」



でも、こんな朝を迎えるのは久しぶりで少しだけ…


「もう……仕方ないですね、あなたって」




悪くはない…かな。


 
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