プチ連載
□クソみたいに平和な日
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居候ならぬ用心棒のこの人が再来してから、早数日は経っている。
「にしてもクソみてーに平和だなー」
「そうですね。」
相変わらずこの調子だ。
全く、どこかの誰かが戦争をするだなんて思えないくらいクソみたいに平和な日々が続いていた。
あえて言うならば、用心棒ならぬ居候に近いこの人の分まで食事を用意する日々に悪戦苦闘を強いられているくらいだ。
他に戦の見込みは感じられない
「平和は何より良いことです」
「けどよ、それじゃまた用心棒いらねーだろ」
では他にするべき事は無いのかと言ってもだめだ。
この人が出来る事とは限られている。
「家事くらい手伝ってくれると有り難いんですけどね……って飛段さん、聞いてます?」
「あー後でな」
「また昼寝ですか…」
びしっと用心棒を終わらせるまでこの人は、どうあっても居座るつもりらしい。
「まぁ、いいですけどね」
そう思うようになった。
この人がこのままズルズル居座ってもまぁいいと、思うようになってしまっていたのだ。
「いや、良くない…」
この人から用心棒を取れば、犯罪者が残る。人を殺めようとした前科だってある。
今となっては、だから悪い人間だとは思っていない。
だけど、いつまでも仲良く過ごせるはずがない。
用心棒を取れば犯罪者という忍びなのだから。
このまま、いつまでもこうして暮らしていて良いのだろうか。
「後で飛段さんにも一応、聞いてみますか…」