プチ連載
□そういう人間だからこその恩返しらしい
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恩知らずな恩返しはするな、という事が分かる一方でもう一つ重大な事も判明した。
「……え？用心棒はダメ、ですか？」
「だってよォ、それじゃ恩返しになんねーだろ」
「な、何故ですか！あなたが立派かはさておき用心棒は立派じゃないですか！」
暁が実は自分というのはさておき、暁が自分の知り合いだと判明したこの中での用心棒は如何なものか。
まず何に対してこいつを守ってやれば良いのかさえ分からない飛段であった。
「暁は悪い奴だって思ってねーんだろ？んならお前を守る必要もねーだろうがよォ」
全くその通りに言ってやれば、あいつも少しだけ納得をした
「…そうきますか」
「裏突かれたみてェーに言うなよ。オレは正論を言ったはずだぜ？」
自分らしくない正論だ
けれど自分よりも正論を持たない人間がそこには居た。
全てはそいつのおかげで生まれた正論だと言っても過言では無いであろう。
という事はつまり、自分らしくない自分というのも必然的にそいつのおかげで生まれたと言っても過言では無い。
が、それに、そいつらしくないそいつが気付く事は無かった。
「ならもう一度恩返しの内容を検討し直します……」
巻き戻される舞台。
それはあの人がここに戻ってきたという事だけでは無かったのだった。