プチ連載

□お帰りなさい
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「ご飯も出来たことですし、そろそろ…」
「おー飯にすっか!」


「じゃなくて!」

この人が再来して2日目の昼。そろそろ……「話は明日だ」の続きを聞きたい。

「そろそろ話の続きが聞きたいのですが…」

結局聞いていないまま2日になってしまっていた。


「戦争するだとかって話を知ってるかって、聞きましたよね…もしかして暁が戦争を起こす話ですか?それならあなたが家を出ていった後に知りました。それとこれはどう関係があるのですか…」



初めてかもしれない。

豪快にがつがつとご飯を食す、遠慮という言葉を知らないあの人が…食卓に箸を置いた。


しばらくの沈黙。



「あなたがここに戻ってきたことと、それは関係があるのですか?」


関係は…ある。

何もないならこんなにも沈黙は起きないはずだ。


「………あの、飛段、さん…?関係は」

「多分、お前と同じだろうぜ。どうせたまたま誰か話してるの聞いて知ったんだろ?」

「えっ…そ、ですけど」
「俺もそうなんだよなァ。たまたま戦争するだのって話聞いちまってよ」


「そうだったんですか…」

「おう」




………で、関係は?


箸を置いたのは一瞬、安定したペース配分で昼食を頬張りだす飛段にそう思うのも無理はなかった。


この食いっぷりときたら…


結局ここに戻ってきたのはお腹が空いたからなのかな。関係、無いんだ…




「あの、話の途中なんですけど……あなたって人はよくもご飯が食べれますね」

「お前、腹が減っては戦も出来ぬって言葉も知らねーのかよ」


あなたがそれを知っていることに驚きました。は、さておき…



「なるほど、やっぱりお腹を満たすためなんですね。」

「なんのハナシしてんだ?」

「あなたがここへ戻ってきた理由です…最初からこのハナシだったじゃないですか。」


このハナシを忘れたとは言わせない。なにより、栄養失調で倒れていたことが事実無根の証拠だ。

この人はきっとあれから路頭にでもさ迷っていたのだろう。

そして、ひとまず空腹を満たすためにここを選んだ。



「確かに、自分でも甘いとは思います…でも私は飢え死にしそうな人を放っておくほど厳しい人間でもないんです」


ここにはそんな人間が住んでいると、彼とてよく知っているであろう。



「お前、なに言ってんだァ?」

だからひとまずあの人はここに戻ってきた。



「言ってるじゃないですか、あなたがここに戻ってきた理由です…満腹にしたら暁が起こす戦争ってやつに向かうつもりだったのでしょう?」


全ては、空腹を満たすために。



「……違いますか?」



 
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