プチ連載
□不死身と不思議
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「にしても暗部じゃねー連中にまで追われるってよォ…」
それは犯罪者の暁だから無理はない。とはいえここ数日に至ってはやけに追われる頻度が上昇していた。
「まだ尾獣狩りでもしてんのか…」
あれから何日経っているか、少なくとも数ヶ月は経っている。
そういや抜くのに時間…
掛かるっつー事はようやく完成でもしたのかよ。
「まー慣れてるけどよ」
それでより一層、警戒態勢を敷かれていると考えてみた。そうじゃないにしろ常に暁という犯罪者は警戒の的である。
ただ最近に至ってはその頻度があがっている気がするだけ。
「ダメだ、見失った…」
「感知型はいないのか?なら」
「いや、まだ近くに居るはずだ。増援を呼んでいる時間があるなら探した方がはやい。あの様子だと一人のようだしな」
「…分かった、探そう。」
声は複数…少なくとも三人ってところか。下手に動けばマズイかもしれねーな、どうすんだ。
言うとおり、まだ近く。
どうにか逃げ込んだ森の中に居た。幸い、分厚い木々にまみれて背中に担がれた重装な鎌までうまく隠せている。
あとは…撒くだけ。
これでも忍びだ。物音を遮断させて動くくらいは容易い。
……なら、簡単じゃねーか。
「いや、待て。本当に一人か?向こうは暁だろう…」
「……ああ。ツーマンセルが基本だとは聞いた。でも一人しか見ていない」
「そうじゃない。暁が全面戦争を起こすつもりだとお前も聞いたばかりだろう…これが先制攻撃だとしたら、他にも隠れているのではないか?」
せっかく一歩駆け出したってのに、足はそこでまた動かなくなった。
「暁が戦争って…おいおい聞いてねーぞ、まじかよ」
嘘だろって雰囲気じゃないのは明らかだ。
それを証拠に「やはりここは増援だ!はやく呼べ!」とか、騒ぎ出しやがった。
おいおい待てってこれ、さすがにマズくねーか…