プチ連載
□恩知らずで終わり、恩返しから始まる
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傾げたライナの首は、その状態を維持する。というのもあの人が、言葉の続きを口にする事は無かったからだ。
「あ、あの…結局あなたは何が言いたかったんですか!」
「うるせェーなもう、夜も遅ェーんだし話は明日だ」
「え!待っ待って下さい!あなた、また女の子の布団で寝るつもりですか!」
「何だァ?嫌ならもう一つ布団用意しとけよなー」
「用意するも何もあなたいきなり現れたじゃないですか!現れたというか、餓死寸前で倒れてたというか…とにかく!布団用意する間なんて無いでしょうが!」
口は素直にならずとも体だけは素直に、布団へ横にするあの人
素直でありながら図々しくもある。相変わらずのあの人だ。
そんなこの人が素直に、口を割る事は無かった。
けれどそんなこの人を見てもしかしたら、なんて思ってしまう自分が居た。
「んなら明日からはもう一つ布団用意しとけよな」
もしかしたら...
戦争が始まるこのご時世で、平和な人間が生きられるはずが無いと心配のあまり、この人はまたここへやって来たのではないか。
なんて事を思ってしまう自分が居た。
続くかも