プチ連載

□恩知らずな恩返し
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幸せを感じる定義とは人それぞれである。となれば、幸せにしてあげたい定義も人それぞれだ

言わば価値観。しかしそれを否定するこの人は一方的に、何が幸せなのかを求める。

困った人だ。


「オイ、待てって。今何て言ったんだお前」


「だからですね、してもらいたい事が見つかりました!」

「その後だって、その後」


「え?だからですね」


困った人だからこそ、考えついた恩返しの内容にあの人は少しばかり困惑した顔を浮かべた



「用心棒です。居座りながら出来る画期的な恩返しのやり方じゃないですか!あなた不死身なだけに、強そうですし」


「……その前だ、その前。もういっぺん言ってみろって」

「え?だからですね」



けれど口を開き終わった頃には、困惑なんてものが無かったみたいにあの人は相変わらずの緩い笑顔を作って見せた。



「そーいう訳なら仕方ねーな」

それはやっと見つかった恩返しに、納得したような笑顔にも見えた。


 
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