プチ連載
□恩知らずな恩返し
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納得したような笑顔を見たのが最後だった。
「あれ……またですか」
姿の見えないあの人、けれどこれで二度目だ。
まさかまた、なんて事も考えた
「にしては恩返しの用心棒、になってない……ような」
考えたのは、それだけではない
外へ出る事は別れを意味する。なんて事も、考えざるにはいられなくなった。
いやまさか、そう考え直してみてもあの人がひょっこりと現れる事はなかった。
「え……?まさか本当に恩返し終了だったり……」
いやまさか、始まったばかりではないか。
と言ってやりたいのに、聞いてくれるあの人は姿を消したままだ。
「仕方ねーな」なんて、やってやろうじゃないかと付けたしそうな言葉を言っておいて。
本当に困った人だ。
「そのうち帰ってくるかな…」
人を困らせるあの人は本当に、困った人だ。