黄昏SCRAP
□4話 絡み合う
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早咲さんが俺のダンスを見てた…?
まだこのダンス考え中で全っ然完成してないのに!どうせならもっとちゃんとしたやつ見て欲しかった…。
あーそれにしても早咲さんC組だったんだ〜!ていうか同じ2年生だったんだ!あれ俺そういうレベル?
しかも学級委員とか、ドンヘの奴ヒント3つもくれやがって!でも思ったら学級委員て見ただけじゃわかんないしあんまヒントじゃないよな。
人に聞こうにも早咲さんの事はドンヘにしか言ってないし言えないし…。
よし、とりあえずドンヘのクラス行こう。
「ドンヘー!」
「うわ、マジで来た」
「おはよー」
「うん、はよ」
ドア付近から呼びかけると、ドンヘは苦笑いしつつも「助かった!」と廊下に出てきた。
…ドンヘ、今女の子に囲まれてたよな。俺なんか女の子に全然モテないのに!
でも俺はドンヘとセットだと人気があるらしく…ドンヘを囲んでた女の子達が「ウネ!」「ウネだ!」と騒いでいる。何だろうこの感じ、喜んでいいのかな?複雑なんだけど…。
「もう来てる?」
「来てない」
「えー!」
どうやら早咲さんはダンス部の朝練でいつも朝はギリギリらしい。水曜である今日は朝練は無いらしいのだが、元々朝が弱いらしく朝練がなくともギリギリになることが多いみたいだ。
つまり朝会うのは難しい?
「何だ〜…。じゃあ帰る。頑張れドンヘ」
「えっ、ちょっと待ってもうちょっと助けて」
「嫌だ!」
「ヒョクチェー!」
ふん!ドンヘなんか女の子に囲まれてヘラヘラしてればいいんだ!
がっかりして廊下を歩いていると、1人の女の子が目に入った。
「……あ」
あの子、ダンス部の可愛い子だ。
黒髪で腰上くらいまで長さがあって、顔は大人っぽい感じの。
その子は目が半分閉じた状態でフラフラと歩いていて、見てるこっちがハラハラする。
心配で見ていると、その子の顔がこっちに向いた。
(……可愛い…てか俺の事見てる?ん、どこみてる?足?胸元?イヤン?(壊))
その子の目が少しずつ開いていく。
(バチッ)
目が合った。その子は足を止めた。
(め、めっちゃ見られてるよ…俺なんかついてる?)
恥ずかしいのでそのまま歩いて横を通り過ぎても、その子の足は止まったままだった。
可愛かったなあ。髪きれいだし、今なんか良い匂いした。
あ、ちょっと今ドキドキしてる。
あの子が早咲さんだったらいいのに。
てか思ったけど、俺早咲さんの事全然知らなくない!?
下の名前も、顔も性格も声も何も知らない。初めて見た日から1年が経とうっていうのに何をしてるんだ俺は!
文化祭になればまた見れるかもしれないけど、それまでには見つけたい。
でも探したとしてどうするんだ?声かけるのか?「今までずっとファンでした」って?
……いや、むりムリ無理MURI。
どうする、俺。
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