黄昏SCRAP
□3話 生徒会長
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さっきの人誰だったんだろう。うちの学校の生徒だとは思うんだけど、あんな人いたっけか?
茶髪だっつったってうちの学校茶髪とか何人もいるし第一踊れそうな人いないし!
…いつもあそこで練習してるのかな。今日はたまたま水筒忘れて買いに行っただけだからわかんないけど。
『…聞いてんの?』
「……ごめん」
聞いてなかった。ごめんギュヒョナ。
言われた通り部活が終わって着替えた後すぐにキュヒョンに電話したものの、さっきの人が気になって全くキュヒョンの話が耳に入ってこなかった。
『…さっきの人』
「え!?」
「何?」
「え、いやなんでもない。うん、さっきの人ね?誰?」
心読まれたかと。
まあどっちにしろキュヒョンは鋭いところあるから気をつけないと。
『…やっぱ何でもない』
「何だよ。…あ、もしかしてドンヘの事?ドンヘがどうかしたの?」
キュヒョンが言うさっきの人って、普通にドンヘしかいないもんね。今ドンヘの存在完全に消してたかも。ごめんドンヘ。
『彼氏なの?』
「はあ?」
いや、もうはあ?としか言えない。
ドンヘが彼氏?嫌だ!(爆)てかそれドンヘにも言われたぞ何なの君たち。
「ごめん、普通に無いわ。てか何回も言わせないで、私彼氏いない」
彼氏なんて生まれてこの方いたことねーよコンチキショー。
だって別に必要ないもん。うん…。
『欲しそうだね』
「別にいらないもん!ていうかギュヒョナだっていないでしょ」
『必要ないし』
「あっさりしてんなキュヒョンさんよ」
我が弟ながら呆れた。めちゃくちゃモテるのにもったいない…逆に羨ましいわ!
あ、弟っていうのは弟みたいな存在ってことで…幼馴染だけど1つ下だし小さい頃から可愛がってたから、キュヒョンは私にとっての弟なんだよね。
「てか用件は?それだけ?」
私は恋愛や彼氏の話になると逃げる癖があるらしい。以前にキュヒョンに指摘されたけど本当だな。
『それだけ。…だったけど』
「え?何て?それだけなら切るよもう」
キタキュヒョンのぼそぼそ喋り。これ電話でやられるとさすがの私も読み取れない。
『早く出てきてくんない?待ちくたびれたんだけど』
「え、何外で待ってんの!?そういうの先に言いなさいよ!今行くから」
『早くして』
「うん、待っちょれ」
電話を切ってから花を振り返ると、一部始終を聞いていたらしい花は「キュヒョン?」と聞いてきた。
先に帰ると言うと花は分かっていたかのように「じゃあね」と携帯を振った。ああもう彼氏に連絡済ですかご苦労様です。まるで花の隣は私じゃなくても大丈夫だと言われているようで怖いわ。
「ばいばい花ー」
「…花先輩さっき「キュヒョン」って言ってなかった?」
「でも水羽先輩、キュヒョン君と付き合ってるって噂あるよね」
「え、そうなの!?幼馴染って聞いたけど」
「……怪しくない?」
「うん、ていうか羨ましい」
「………ね、」
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