黄昏SCRAP

□1話 クラスメイト、幼馴染
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…って私馬鹿かあああああああ。馬鹿だああ。
ここは甘えとけよ!何で意地張った!

この量、2回は往復しなきゃだよなあ。荷物重いから置いとこう。



「…あ、ギュ!」

軽くよたよたしながらノートを持って廊下を歩いていると、幼馴染の後姿を発見した。
振り返ったキュヒョンは私を見て何かを察知したのかあからさまに嫌な顔をして、歩く速度を速めた。

「うあっ、人でなし3ー!!お前もか、お前もなのか!」

ちなみに人でなし3はこの学校に何故か多い韓国人4チョ・ギュヒョンです。ややこし。

「…何の話」
「手伝いやがれコンチキショー」
「へー」
「お願いします手伝ってくださいキュヒョン様!」

一瞬キュヒョンの後ろに黒い何かが見えた気がしたので丁寧に言い直すと、キュヒョンは無言で私が持っているノートを全部持ってくれた。

「職員室?」
「そそ、ありがと!じゃあ私もう一回持ってくるから先行ってて!」
「まだあるんだ」



やったー!まさかの救世主2!
これで歩く距離ちょっと減ったぜうぇっへ!ってあれさっきトレーニングとかほざいてたの誰だあたしだばーか!

「ぱーぼ!…ってあれ、何してんの」
「あ、ちょ、いいところに早咲!助けて!」

教室に戻る途中、顔が見えないくらい重ねられたノートを運んでいるドンヘを発見した。
太い腕の割りによったよたしていてこちらも気が気でない。

「あーあーあーもう何してんの何してんの怖いな!半分貸しなさい」
「頼む」

どうやら余りのノートを一気に全部持ってきたらしい。
てかヒョクチェ氏と帰ったんじゃないのか。

「ヒョクチェに怒られちゃってさ。女の子にそんな事させるなーって」

あ、約束のくだり本当なんだ。なんかごめん。
ていうかヒョクチェ氏何て!?見習えよ!みんなの彼氏だろ!


「…誰?」
「あ、ギュヒョナ!棚においた?」
「うん」
「ありがとー!助かった、もう帰っていいよ」

職員室へ向かっている途中、帰ってきたキュヒョンに会った。用が済んだ事を伝えると、キュヒョンは静かにドンヘを見つめた。あ、そういえば質問されてた。

「これ、ドンヘ。同じ学級委員だよ」
「これって」
「先輩か。…どうも」
「え、後輩?よろしく」

ドンヘが小声で彼氏?と聞いてきたのでなわけねーだろと睨む。幼馴染です、幼馴染。


「あ、部活終わったら電話して」
「何で?」
「いいから」
「?うんわかった。じゃあ重いからじゃあねー」
「じゃね」

気付けばしばらく足を止めていた。
そろそろ指がじんじんと痛み出してきたので再び歩きを進めると、ドンヘがニヤニヤしながら聞いてきた。

「やっぱ彼氏でしょ、彼氏」
「違うっつってんでしょ」
「えー結構似合ってるけど?」
「幼馴染。以上」


ようやくついた職員室前の棚に先ほどキュヒョンが置いたであろうノートの山を見つけ、その隣に自分の分のノートを置く。
ドンヘが置き終わる前に別れを告げてその場を離れた。

「じゃあ部活行くから。手伝ってくれてありがと、じゃね」
「あ、うん、じゃあね」

ドンヘはつまらなそうな表情をしていた。



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