黄昏SCRAP

□6話 解決
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そういえば有志発表ってオーディションあるんだっけ。


キーが部屋を出てから早10分、曲を止めてスピーカーの前で胡坐をかいて何か良いアイデアが無いか考えていた時、ふと思い出した。

まあオーディションと言っても学校行事レベルではある。
俺とドンヘなら余裕?とか思ってみたり。

ていうか、ドンヘが出るなら早咲さんも見に来るよね。それで俺のダンスを見て「きゃーヒョクチェ君かっこいい!」なーんて…って馬鹿か俺は。
でも散々不細工とか言われてる俺がこんな踊れたら絶対びっくりする子はいるはず。それに俺だって面白くて可愛いーってちょっとは人気あるんだぞ!ドンヘには勝てないけど…。
ていうか俺ってそんなに不細工かな?ドンヘと並んでるからそう見えるだけだろ。それに最近かっこよくなったねってよく言われるんだけどなあ、お母さんに。あれ。


「ってああ!」

ダンスするのに顔はどうでもいいんだよ!まったく隣がドンヘだからいつも俺ばっかり引け目を…。
でも悪いけどダンスじゃドンヘにも、誰にも負けない。
もっともっと練習して、誰よりもかっこいい俺を早咲さんに見せよう!



「っし、練習!」

すくっと立ち上がり、また曲をかける。少し日が落ちてきたきたおかげで、教室の窓ガラスに自分の姿が映りはじめてきた。
でもいくら空き教室で物が無いとは言えやはり学校の教室での練習では難しいものがある。
でもレッスン室を借りるのにはお金がかかるし、学生の俺達には週一回借りるのが精一杯。他に練習場所があればいいんだけどな…。



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