黄昏SCRAP

□1話 クラスメイト、幼馴染
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「気をつけー、れい」
「さよーならー」

いつものように適当に挨拶を済ませ、部活へ行こうと荷物を背負った。

「これ職員室前までよろしく学級委員」
「…は」

いきなり担任が目の前に現れた。
かと思うとドサドサ、と大量のノートを何回かにわけて私の机に乗せて、ひらひらと手を振って教室から出て行った。

「えええ」

何だ今の。てか何で私。
量多いし。え、他のクラスのもあるじゃん。何でわざわざ一つにしちゃったかなあの人。つーかこれ一回じゃ運べないし。


「ちょ、待てドンヘ」
「ああ!バレた」
「バレたじゃねーよ」

この学校に何故かたくさんいる韓国人その1イ・ドンヘ。
顔がかっこいい(らしい)とか行動がおもしろい(らしい)とかで女子に絶大な人気を誇ってはいるが、正直一緒に学級委員をしていて頼れた事は一回も無いためかっこいいともおもしろいとも思わない。
ちなみに席も隣だがこの人のツボはよくわからない。
今もこそこそ逃げようとして、学級委員だろ手伝えとノートの山を指差すとしばらく黙った後真顔で答えた。

「ごめん、今日ヒョクチェと約束が」
「またヒョクチェ氏かよ!飽きたわその言い訳」
「てことでごめん!頑張れ早咲!」
「えええ」

行っちゃったよ頼れねえええ。
いつも何かとヒョクチェヒョクチェヒョクチェ。どんだけヒョクチェ氏好きなんだろうあの人。
(この学校に何故か多い韓国人その2イ・ヒョクチェ)
てかやっぱかっこよくない。人でなしだ。


「…先部活行ってるね、頑張れ」
「…手伝おうとは思わないのね。うん先行ってて」

はい来ました人でなし2。
軽くひどい親友の花にも別れをつげ、ため息の出る量のノートに目を向けた。はあ。



「手伝おうか?」
「、ミノ氏!」

▽ 救 世 主 が 現 れ た
(この学校に何故か多い韓国人3チェ・ミンホ!)

おおおおおお。おおおおおおお!
カリスマや!やっぱカリスマやこの人は!
でもいざ手を差し伸べられると素直に甘えられないのが私なんだ。私めんどくせっ。

「いや、大丈夫!トレーニングにもなるから」
「そっか。じゃまたね」
「うんありがとミノ氏ー!」

整いすぎた微笑みにでれっとしつつ気遣いへのお礼を言って手を振った。



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