赤眼鏡


□星に願いを
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波瑠は少しの間黙り込んでしまった。

リゾットは波瑠をチラッと見る!


「……なあ」

「あっ!ほら。お墓が見えて来たよ。」

「あ…ああ。」

「?どうかした?」

「いや、何でもない!」


二人はようやくお墓に着いた。
波瑠は目に涙を浮かべていた。


「波瑠…」

波瑠は必死に泣くのを堪えた。彼女を呼ぶリゾットの声は優しく聞こえた。


「お父さん、お母さん…久しぶり。またリゾットを連れて来たよ。」

「お久しぶりです。」


リゾットは改まっている。

「ねえ…今のリゾットは優しくなったと思わない?あの時から私をずっと大切にしてくれてるの…」

「………。」

「ねっ?リゾット…」

「……俺はあの時、暗殺チームに居た。暗殺チームのリーダーでもあった俺は、自分のスタンドで……。」

「………。」

「近くに居た波瑠も巻き添えにしようとした!だが波瑠は逃げなかった…。逃げようとはしなかった。」

「……だってあまり悪い人だとは思わなかったんですもの。だから助けてあげようとしたの」

「俺は…波瑠が手を差し延べかけてくれた時、光だと思った…。俺は、縋るようにこいつの手を取ったんだ。
…その時から俺は、リーダーを降り暗殺チームから抜けたんだ…。
その日からずっとこいつの傍にいようと思った。」

「……ね?素敵な人でしょう?リゾットって…。だから私、この人を選んだの。」


波瑠は嬉しそうにリゾットの事を話す!リゾットも波瑠の事をご両親のお墓の前で話している!


「私はリゾットが居るから大丈夫!だから心配しないでね!」

「……俺はあの時、波瑠に救われました!だから今度は俺が必ず波瑠を支えて行きます!」

「リゾット…?」


リゾットは波瑠の方を見る!


「俺は…お前をずっと支えるから。ずっと守って行くし、大事にするから!……だから、俺と結婚して下さい!」


波瑠はまた目に涙を浮かべる。堪えていた涙は波瑠の目からこぼれ落ちる。


「リゾット………。はい!」


嬉しそうに涙をこぼしながら笑う!

空には二人の結婚を祝うかのように星が流れて居る。


きっと天国にいる波瑠の両親が喜んでいるのだろう…。

この流れ星は両親から娘へのプレゼントなのかもしれない…。



    星に願いを

 
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