赤眼鏡


□二人の存在
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夜明けとともにイルーゾォは目を覚ました!
夢を見てたらしく、ボケッとしている。

「チェッ!糞またかよ、夢見悪いぜ」

舌打ちをして頭をガシガシとかく。

ガシガシとかいたせいで、イルーゾォの髪の毛が更に乱れた…


「はあ〜。胸糞悪りぃ」

こんな事は今日だけではない!度々起こる事。

イルーゾォはベッドから起きる。
自分としてはずっとベッドに入って毛布に包まっていたい気分だ…

がしかし、起きなければ始まらない…


「あ〜…しょうがねえ。あいつの相手してやるか!本当マジで勘弁だけどよ」

イルーゾォの言うあいつとは一体誰なのか?
そしてイルーゾォはいつも何の夢を見てるのか?


イルーゾォは本当に謎だらけだ…。

イルーゾォは着替えて鏡の所に向かう。

イルーゾォの部屋には大きな鏡がある。イルーゾォはその鏡の前に立ち、鏡に向かって話している!


「よお!てめえ今日も俺の夢に出て来やがったな?」

今日も急に鏡に向かって語り始めた…。

イルーゾォは密かに鏡に向かって話すのはそんなに嫌じゃない!むしろ一つの楽しみと、暇潰しとしてしている…。


「いい加減、出て来いよ!俺と話してえんだろ?」

すると、 鏡がユラ〜と揺らいだ。

鏡の中にもう一人のイルーゾォが現れた…
鏡だから自分の姿が映っているのかと思ったが、それは違った。

鏡の中の自分が動いたのだ!


(俺は今寝ていたのに、お前が五月蝿いから起きちまったじゃないか)


「はっ!よく言うよ。お前かって俺の夢によく出てくるくせに」

鏡と話している…いや鏡とではない!

鏡の中のもう一人のイルーゾォと話している。

イルーゾォはその鏡の中のイルーゾォと毎日話していたのだ!


 
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