赤眼鏡
□風の囁き
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フーゴの朝はいつも風にあたる事が日課だ。
「清々しい朝ですね」
そしてフーゴは毎日朝の4時に起きている。
早起きが好きなようだ。
4時に起きるのは毎日、自分の髪の毛を時間をかけてセットするからだ。
「なんていい天気なのでしょう。…さて今日もバッチリ決めるか!」
フーゴは髪のセットに入った。フーゴはやはり髪が大事らしい…
そこにフーゴの姉が起きて来た。
フーゴの家庭は姉とフーゴの二人兄弟だ。
「ちょっとフーゴ、今日も髪のセットに何時間かけるのよ」
「あっ!姉さん。いいではないですか!僕は髪をセットするのが日課なんですから!」
「全く、後がつかえてるんだから早くしてよね?」
「姉さん、今日は休みでしょう?だったらいいじゃないですか」
「失礼ね!今日は急遽仕事が入ったのよ。しかも午後に」
「あれ、そうなんですか?」
「そうよ!だから早くして頂戴!」
毎度毎度、起こるちょっとした口喧嘩だ。
姉の波瑠はホステスだ。だから結構忙しい。
今日だって本当は休みだったのに、急遽また午後から仕事が入ったのである…
「はいはい、でももう少し待っててよ。僕だってセット大変なんだから…」
「はいはい。…全く、休みくらい欲しいわ!」
「愚痴ったってしょうがないよ!姉さん。」
「だってこっちは一生懸命働いてるのよ?なのに、給料も少ないし」
「それはしょうがないよ。姉さん…。姉さんがその仕事に就いたんだから」
ブォ〜というドライヤーの音がシーンとしている家の中に広がる…フーゴは仕上げに入ってるらしい。
そんな中、姉はフーゴの隣でずっと愚痴っている!