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□不器用な私達
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「名無しさん、早くしないと遅刻だ。」
『もおーっわかってる!今急いでるし!』
今、私は急いでる。
理由は…寝坊!
「お、おい…本当に『あーうるさい!』
こんなやりとりは毎日のことで。
『はいっ!完了!ごめんね国光!』
「ああ…いくぞ。」
遅刻ギリギリで準備して
勢いよく家のドアを開ける。
そうすると門の前には、
大好きな姿があって。
それに飛び付くように門を開けると
貴方は微笑み私の頭を撫でる。
これがもう、当たり前。
貴方のその笑顔が愛しくて
貴方の撫でるその手が優しくて
貴方の胸に飛びつきたくて
私はわざと寝坊しているのかも。
貴方も私も不器用だけど
何も言わなくても通じ合ってる。
…って思っていた。