短編小説

□月と少女♪
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恋している人に呟くように、月にオヤスミってつぶやく。
月は、笑って言う。
「いい子で、おやすみ。心に戸惑っている気持ちの練習を僕でしていいからね」

月は、照らす。
少女の顔を。
月は、少女が好きなのに。
気持ちを隠す。
練習に使われてもいい。
君が微笑むなら。
君が僕を必要としてくれるなら。
月は、ゆっくりと沈む。
少女が少女の好きな人と話している姿を見ないため。
その人に笑顔を見せているのを見ないため。
月は、また上がる。
君の
オヤスミを
楽しみにして。

君が話す相手は、僕。
切なくなるよ、あの人を話す君を見ていると。
頬が染まる君を見ていると。

どうか幸せになれるように。
僕の光をあげましょう、おまじないとして。
僕の光のように白くキレイになれますように、太陽が明るい所でも。







好きだよ。







呟いたら星になってしまった。

君に届かずに。








涙の滴も。

何度も呟く
好きも

すべて星になっていった。





君に伝えられない思い。
君は、すやすや眠っていて、気付かない。


光だけなんだよ。
目線だけなんだよ。


気付かれずに見つめているよ。







月は、また、沈んだ。
君は、また、あの人としゃべる。
月は、上がる。
君は、僕をあの人に見立てて微笑む。





好きだよ。





星になるのわかってる。
でもね?
言ってしまうんだ。


言わないと破裂するかもしれない。


1億万の星は、キラキラ輝く。




好きは、星に。



今日も。
また明日も。


星の数は、増えていった。

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