短編小説

□普通に生きる私
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雨が降っている


傘を片手に持ち、雨の降っているのをみている。
空は、限りなく白に近い灰色。
明日は、お祭りがやってくる。楽しみしか、言えない。
提灯が飾られ、雨に打たれている。
この提灯の中に私と同じ名前の人は、いるのだろうか?
だれか、見つけてくれないだろうか?
そう、思う。
雨は、止まない。
ぽつぽつと、軽い音をたてて、傘に当たる。
安心する。
つまり私は、雨の音が好きらしい。
いや、前からずっと好きなのである。
雨の音がすれば、眠りに誘われ、雨を見れば、心が安らぎ、雨に打たれれば、不安が取り除かれる。私のパートナーは、雨なのかもしれない。
私は、バカなことをした。
雨がさえぎられている地下の中なのに傘を、さしていた。
変な視線を感じるなぁ〜。
と、思い。
気が付いた。
あっ!
心は、焦るが行動は、遅い。
つまりマイペースであった。
電車を待っている間も電車の中でも、無心が続く。
これから行く習い事を、少し楽しみにして、明日のお祭りを楽しみにして。
今日を普通に生きる私。

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