Shot・Shot

□キラキラしてる
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ふとした拍子に目が覚めた。



「……ん、」



むくりと起き上がって壁の時計を見ると、まだ夜明けにもならない深夜1時過ぎ。

隣に寝ている馬鹿はぐっすりと爆睡中だ。

美琴は少し半眼になって上条を睨む。



「(ど・う・し・て、可愛い恋人がいるのに先に寝るのか・し・ら・ね?)」



ちょっと期待してたのに、と美琴はため息をつくが、同時に何考えてるんだと赤くなった。



「(もうっ、変に目が冴えちゃったじゃない)」



ベッドからそっと脚を出す。

裸足でフローリングの床を歩くと、ぺたぺたと音が響く。


水でも飲もうかとキッチンに目を向けてから、ふとベランダを振り向いた。



「あれ?」



なぜだろう、いつもより明るい。


満月かな、と鍵を開けて裸足のままベランダに出る。


空を見上げて美琴は思わず声を上げた。



「わぁ……!」



キラキラと光る無数の星の欠片が集まって、どこまでも続いていた。


天の川だ。



「そっか……七夕か」



ぽつりと呟く。

そういえば、後輩が願い事がどうだか騒いでた気がする。



「きれい…」

「いやいや、美琴のほうがきれいだよ」

「ひゃっ!?」



いきなり背後から声がして美琴はびくりと肩を震わせた。

振り返ると、先ほどまで熟睡していたツンツン頭の恋人の姿があった。



「当麻……!起こしちゃった?」

「いや、何となく目が覚めたんだ。それより……天の川か」

「あ、うん」



隣に並んだ上条が空を見上げるのにつられて自分もまた眺める。

うっとりと眺めてから、不意に上条の言葉を思い出した。



「あ、あの、当麻、さっきの言葉って…」

「うん?まんまだよ」



天の川から視線を外し、上条はふわりと笑って。







「美琴の方が、綺麗だ」







キラキラしてる


(〜〜〜っ!そーいう恥ずかしいこと面と向かって言わないでよっ!)

(ええっ!?ご、ごめん!)

(……でも、嬉しい)




End

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