一
□隊長座談会
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夜の会議室
隊長会議の後、そのままサッチが肉やらつまみやらを取出したもんだから、エースがそれに飛び付こうとしてでも「食いたいなら酒持って来なさい!」との司令に部屋を飛び出してって、俺らもやれやれって顔でその場に残ったんだ
そんでもって話題はやっぱり名前になっちゃうよね(てかサッチ主催は大抵女についてだし)
「名前ってスゴい子だね」
「スイトンデンブだっけか?」
「水竜演舞だよい」
お前ェの頭には食い物しかねェのかよい
「失敬だな!親父のこととか仲間のこととかルフィのこととか考えてるぞっ」
「・・・ブラコンめ」
肉の塊を両手に握りしめてる末っ子と、どうしようこいつ、って顔してる長男
サッチはそんな二人を楽しそうに見てて、俺はイゾウの隣でエースが持ってきた酒瓶を傾けた
「異世界なぁ」
いつものお猪口じゃなくって、直接瓶に口を付けるイゾウ。目を細めて弧を描く唇・・・スッゴく楽しそうだ
きっとあの水竜を思い出してるんだろうな
「なぁ、ニンジャって、みんなあんなん出来んのか?」
「いや、ワノ国にも忍者は居たがあんな芸当出来ねぇな」
「やっぱ名前ちゃんは特別なんだなぁ!」
めっさ美少女だしなっ!!くの一サイコー!
「どしたのマルコ」
いつもだったらサッチにツッコミ入れるタイミングだ。でもマルコは黙ったままで、サッチも不思議そうに(ちょっと悲しそうなんだよね)首を傾げてる
なんか、マルコ怒ってる?そういえば会議中もボーっとしてたような・・・
「名前をナースに預けてきたんだよい」
・・・ん?
「あいつ昼間ので傷口が開きやがった」
「そうなのか!?」
全然気付かなかった。名前はあの後もなんら変わらず過ごしていたから
「無理しやがって、隠してたが様子がおかしいんで医務室連れてったら案の定パックリだよい」
そっか、無理してたのか。名前は簡単に忍術をやってた様に見えたから、身体の負担なんて考えてなかったなあ
隣のイゾウが、ニヤリと笑った
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