二
□よい子たちと海賊のとある日常A
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「・・・なんかマルコ、機嫌、よくね?」
「そうかい?」
再提出を食らった報告書に目を通すマルコを訝しげに見やるエース。普段であれば拳骨の一発二発は確実であるのに、よいよい言って受け取る姿はある意味恐怖倍増で恐ろしい。こりゃアレだ・・・親父か名前関係だなっ!?
「名前がいただろい?」
聞いてないのに、自分から話し出すマルコにいよいよ珍しい今日は槍が降るなとぼんやり考えた
「最近多いんだけどよい、俺と目も合わせねェし、声も掛けねェんだよい」
「声、掛けられないのが嬉しいのか?」
俺ァ分かんねェ。マルコってドMか?なんぞと言うエースに腹もたたないくらい、今のマルコは大変気分がいい
くつくつ笑う。餓鬼にゃあ分からねェか。粗方不備のない報告書に、次もこれくらいやって出せよいと首を傾げたままのエースを残しその場を後にする
エースは気付いてねェが、あの、平静を装う事に長けた名前が一言も喋らず、目も合わせねェなんて普通あり得ねェだろい。なんたって超優秀なくの一だ。不自然なくれェ自然にすんのが普通だろい
しかし、俺は確かに違和感を感じた
思わず、口元が弛む
「意識されてる・・・そういう事だろい?」
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